有言実行 | ちらしの裏のヒロ

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有言実行という言葉がある
最近やたらと耳につく言葉だ。
もともとは不言実行という四字熟語をもじって作られた語という解説がある
有言実行と不言実行でどちらが好きですか?というアンケートを取ると
圧倒的に有言実行が多いらしい。

いつごろから使われだしたのだろうと調べてみると
作家・舟橋聖一氏の書いた時代小説『花の生涯』(1952年)の一節に
出てきているらしい(読んでいないので未確認)
もう半世紀以上も前ではないか
またこの「有言実行」を社訓としているところもあるという
辞書によってはちゃんと載っている場合もあるという

もう普通に使われている言葉だし
ちゃんと市民権を得ていると考えるのがいいだろう。
四字熟語といえば古くから伝わってきたものというイメージがあるが
どこの誰かに認定してもらわなくてはならないものでもないし
みんなが意味を理解しみんなが使っていればそれはそれでいいのだろう

有言実行の意味は
「言ったことは必ず実行すること。」
というのもだ。

それに対し不言実行の意味は
「誰にも言わずにこっそり実行すること」
ではない(勘違いしてるひとが多いように思う)
「あれこれ言わずに、黙って実際に行動すること。」
つまり出来ない理由や言い訳を言うのではなく
文句も言わずさっと行動に移す、そんなイメージがある。

言葉としては似ているが使う用途がまったく違うように思える。

つまり有言実行も不言実行も回りの者はなにをするかは
わかっている。不言だから何も言わずにはじめる訳じゃない
ここでいう不言とは文句や言い訳・不平不満を言わないことである。

不言実行における実行の部分は簡単にはできない内容を指す場合が多く、
不平不満を言いたくなって当然のような状況であるにもかかわらず、
それを言わず実行するという非常に難易度の高い行為である。
昔の人はそういう人を称えるためにこの不言実行を使ったのであろう
さしずめ昔の人にとって有言実行はあまりにも当然なことなので
あえて四字熟語にするようなことではないと考えたかもしれない

ただ最近では言ったことをやるのは当たり前なんですが
少しハードルを上げた実行内容を宣言し自らを追い込むことで
努力し目標を達成しようという気持ちが入っているような使い方を
するので前向きで良い言葉としてとらえているのだろう。

私などは「有言実行」と聞くと水泳の北島康介選手などを思い浮かべる
あそこまでの目標(実行内容)を掲げて実際に成し遂げるということは
並大抵のことではないので、彼のような使い方は好感が持てる
しかし「あの人は有言実行型だからね~」みたいなのはどうだろう
そういうのは「言ったことやるの当たり前でしょ」って言いたくなるし、
すごくもなんともない、ただ自己アピールが強いだけなんだろうって。

でもこういう言葉が流行るというのは
あまりにも言ったことすらまともに実行できない、有言不実行の人が
多くなってしまったということなのだろうか

つまり何が言いたいのか?
私は有言実行と不言実行ではどちらが好きですか?
と問われれば躊躇無く不言実行のほうだと答えるだろう
本来どっちか好きかと聞くのが間違っているのだが
それが言いたかっただけなのだ。

私が感じていることなので、正しいとか間違ってるとかという話ではありません。