毎月一度バンコクで開催される『近現代史を識る会』に出席するために高架電車のプロムポン駅で降りると、プミポン国王崩御の為だと思いますが、かなり自粛気味のタイ春節(旧正月)の飾り物が目に留まりました。
 
Em-Quartier前の広場を睥睨する巨大龍 (Photo:タブレット)
 
中国旅行研究院によると、昨年海外に出掛けた中国人観光客(1億2200万人)の行く先No.1は、日本でも韓国でもなく、タイだったそうです。タイの観光相の発表によると、今年の春節に合わせて来タイした中国人観光客は、一日当たり3万6千人にものぼり、日本人を含む外国人観光客の中でも断トツの第一位だったそうです。
 
僕が子供の頃、日支事変(日中戦争)で陸上の戦闘を経験した大人は、『中国の人海戦術には敵わない!』と言っていましたが、一年間の中国の海外旅行者数が日本の人口と匹敵するのですから、空恐ろしいマンパワーだと思います。GDPで日本を凌ぐのも道理です。
 
微風に揺れてキラキラ輝く飾り物 (Photo:タブレット)
 
昨年10月のプミポン国王崩御を慮って、春節の赤色を極力少なくする代わりに、崩御された王様の誕生曜日の色である『黄色』が圧倒的に多いのですが、その中でもひと際目立ったのが上掲写真のキラキラ輝く飾り物です。
 
よくよく見ると、祈願の絵馬ならぬ絵星でした。  (Photo:タブレット)
 
祈願の絵馬を奉納する風習は、中国が発祥の地かと思っていたのですが、続日本紀によると、奈良時代から、祈願成就を願って神様に実際の馬を奉納することが始まったようですね。
 
奈良時代の当初は、馬舎と生馬を実際に奉納していたのですが、あまりにも大変だということで、模型の神馬を奉納するようになり、やがて、神馬舎の形状をした板面に神馬を描く方法に落ち着いたのだとか。
 
繁体漢語、英語、タイ語、国不明語の絵星 (Photo:タブレット)
 

絵馬ならぬ絵星には、『素敵な彼氏に出会えますように!』、『二人で永遠にそえますように!』、『快快楽々』、『無病息災』などの祈願が、日本国内の絵馬と同じように、様々な言語で託されていました。