前回BLOGでは、同じコンドミニアムに住むタイ人の女性社長から頂いたお菓子の “ カーオニアオ・ナー・クン บ้าวเหนียวหน้ากุ้ง (下左写真)の紹介をしましたが、本日の主役は、その時に一緒に頂戴した “ カーオニアオ・ナー・サンカヤーบ้าวเหนียวหน้าสังขยา (下右写真)と呼ばれるお菓子です。

お菓子とは言っても、駄菓子のようなものではなく、“ デザート ” や “ オヤツ ” として食されるチョット重量感のあるタイ風の御菓子なのですが・・・


左:タイ語呼称:カーオニアオ・ナー・クン (もち米の表面に海老を載せたお菓子)
右:タイ語呼称:カーオニアオ・ナー・サンカヤー (もち米の表面にプリンを載せたお菓子)

僕が知る限りでは、タイには三種類の色づけをした “ もち米のお菓子 ”(下記御参照) があります。

黄色に染色されたもち米(カーオニアオ・カミンチャン บ้าวเหนียวขมิ้นชัน )
青色に染色されたもち米(カーオニアオ・アンチャン บ้าวเหนียวอัญชัน )
緑色に染色されたもち米 (カーオニアオ・バイトゥーイ บ้าวเหนียวใบเตย )

昨日紹介した “ カーオニアオ・ナー・クン ”(上左写真)に使われているのは、カミンチャン(ウコン)によって黄色に染められた上記①のもち米です。

本日紹介する “ カーオニアオ・ナー・サンカヤー ” (上右写真&下写真)のもち米は、アンチャン(蝶豆)によって青色に染められた上記②のもち米が使用されています。


蝶豆の花によって青色に染められたカーオニアオ・ナー・サンカヤー (もち米の表面にタイ風プリンを載せたお菓子)

アンチャン อัญชัน の花については、過去の拙BLOG(アンチャンの日本名は? http://ameblo.jp/hiro-1/entry-10104643892.html )でも採りあげましたが、日本語は “ 蝶豆 ”、英語は “ Butterfly pea ” と呼ばれている薬草(下写真)です。興味のある方は、上記のURLをクリックして下さい。


半八重に咲いたアンチャン(蝶豆)の花

もち米を染色するには、アンチャン(蝶豆)の花の搾り汁ともち米を一緒に蒸しあげた後、蓋をしたまま一時間余り据え置くと、青い色合いのもち米が出来上がる訳ですが、青色の加減を調整するためのノウハウがあるようです。

例えば、下左写真のカノム・チャン(段々菓子)の薄青色は、アンチャンの搾り汁に、マナオの搾り汁をチョット加えるだけだそうですが、下右写真の紫色に近い青色を発色させるには、マナオの搾り汁をたっぷりと加えるのが骨なのだとか。


アンチャンの搾り汁に、マナオの絞り汁の量を加減することによって青色のグラデーションをだす。

チョット横道に逸れてしまいましたが、今日の主役である “ カーオニアオ・ナー・サンカヤーบ้าวเหนียวหน้าสังขยา の話題に戻りましょう。

カーオニアオ・ナー・サンカヤー ”(下写真)の表面に、クリーム色状のものがトッピングされていますが、これが “ タイ風のカスタード・プリン ” のサンカヤー(タイ語)です。

カーオニアオは “ もち米 ”、ナーは “ トッピング ” を意味するタイ語ですから、カーオニアオ・ナー・サンカヤーを意訳すると、“ 蝶豆の絞り汁で青く染めたもち米の表面に、カスタード・プリンを載せたタイ風お菓子 ” となりますね。


カーオニアオ・ナー・サンカヤーにトッピングされたタイ風のカスタード・プリン

タイ風カスタード・プリンの作り方は、ココナッツ・ミルク + アヒルの卵 + 椰子砂糖(下写真) を混ぜ合わせて煮詰めるのですが、鮮やかな黄色を発色させるには、アヒルの卵を用いる(カヤム・ガップ・カイ・ペッツ ขยำกับไข่เป็ด )ことが重要ポイントなのだそうです。

僕は、クリーム色の発色は、てっきり “ 椰子砂糖 ”(下写真)を大量に使用するからだと思い込んでいたのですが、意外や意外、“ アヒルの卵 ” を使う秘策(クレッツ・ラップ เคล็ดลับ )があったのですね。


一斗缶に入った椰子砂糖(ナムターン・ピープ น้ำตาลปีบ

ところで、日本では、通常、“ 鶏の卵は白色 ”と相場は決まっていますが、タイでは、“ アヒルの卵は白色 ”、“ 鶏の卵は茶色 ” と決まっています。

日本に住み着いたばかりのタイの人は、“ どうして日本はアヒルの卵が多いの? ” と驚くのではないでしょうか?