「KARA」や「東方神起」ら韓国アイドルのDVDやグッズを輸入販売する「ワールド・アップル商事」(東京都新宿区)と、同社の崔星民社長(44)が法人税約4千万円を脱税したとして、東京国税局から法人税法違反罪で東京地検に告発されていたことが11日、分かった。すでに修正申告をしたとみられる。

 関係者によると、同社と崔社長はJR新大久保駅近くの韓流グッズ専門店などを運営。崔社長が店舗のレジ集計の際に、現金の一部を売り上げから抜き取る手口で、平成22年7月期までの2年間で法人所得約1億5千万円を隠し、法人税約4千万円を脱税した疑いが持たれている。同社は取材に「崔社長は韓国へ行っており、対応できない」と話している。

 登記簿やホームページ(HP)によると、同社は11年に設立。サイン入りCDやDVDの限定版、各種ポスター、ファンクラブが作った写真集など、国内では「入手不可能なレアアイテム」(HP)を売りとし、店舗のほか全国への宅配サービスも行っていた。新大久保駅周辺に乱立する韓流ショップの老舗で、近年の韓流ブームの追い風を受け売り上げを伸ばしていたとみられる。

 21年には韓国産マッコリ(濁り酒)の輸入卸専門会社(東京都足立区)が約4千万円を、20年には韓国ドラマの配給会社(同渋谷区)が約1億4千万円を脱税したとして、それぞれ法人税法違反罪で東京国税局に告発されるなど、韓流ブームを背景とした脱税は近年、増加傾向にある。