愛人関係 [DVD] 愛人関係 [DVD]
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リチャード・マシスンの原作を、アラン・ドロン主演で映画化。原作は未読です。

 

ペギーは、以前、夫を殺した事件の弁護をして彼女を救ったマルクとともに南仏ニースに住んでいました。けれど、彼女の前に、彼女に恋するTV脚本家、フランソワが現れ、ペギーの気持ちもフランソワに傾いていきます。ところが、ペギーの周囲で殺人事件が続き、ついにフランソワも負傷させられてしまいます。そんな中、ペギーとフランソワは新しい暮らしを始めようとしていましたが...。

 

果たして、愛人関係というような関係なのか、はなはだ疑問ではあります。(何でもマルクを演じたアラン・ドロンとペギーを演じたミレーユ・ダルクがプライベートで愛人関係にあったのだということですが...。)

 

ペギーは、精神を病んだ謎多き女性なのですが、彼女の感情の揺れのようなものがあまり伝わってこず、彼女の怪しさが分かりやすく安定感たっぷりで、ドキドキハラハラ的要素は薄れてしまっています。

 

フランソワが何故、ペギーにそこまで入れ込むのか、ペギーは何をしようとしているのか、その辺りがきちんと描きこまれておらず、この2人の関係の作られ方に違和感を覚えます。そして、それ以上に、マルクが、何故、ペギーにそこまでのめり込むのかが、伝わってこず、そのために、ストーリーの流れに唐突感が生じ、全体に登場人物たちの気持ちの動きに納得のいかないものが残ります。

 

一方のフランソワも、ほとんど、ただの変態オジサン。そんなフランソワとほとんど表情を動かさないペギーの恋愛関係を見せられても、そこに心動かされるものはあまりなく...。

 

何かと粗の目立つ作品ですが、それでも、アラン・ドロンはダンディーです。抑えた中にも愛する女性を守ろうという確固たる意思が感じられ、一挙手一投足がカッコよく印象的です。

 

アラン・ドロンを見るための作品ということなのでしょう。まぁ、それだけでも十分に観る価値ある作品にしているところは、流石にアラン・ドロンです。