暗殺者の家 [DVD]/レスリー・バンクス
¥540
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ローレンスは、妻のジル、娘のべティとサン・モリッツに滞在中、殺人事件に遭遇します。被害者の最期の言葉を聞いてしまったことからべティが誘拐され...。
 
20世紀初頭、ロンドンで、“画家ピーター”と呼ばれたアナーキストが政府要人暗殺を企て一軒の家に立てこもった事件をもとにして物語が作られているそうです。

本作は1934年に公開された作品ですが、1956年にヒッチコック自身により「知りすぎていた男」としてハリウッドでリメイクされています。
 
「知りすぎていた男」は、以前観ていますが、それに較べると素朴と言うか、初々しいと言うか、飾り気がないと言うか、アッサリしていると言うか...。

この二作品を見比べると、ヒッチコックの映画監督としての技量の向上や、時代の流れの中での映画関係の各種技術の向上が見えてきたりして、リメイク版と比較しながら観るのも面白いと思います。

暗殺団のボス、アボット役のピーター・ローレが不気味な存在感で印象的です。彼が登場するだけでサスペンスとしての味わいが深まっている感じがしました。
 
設定とか、捜査技術とか、犯人を追う方法が古臭い感じがしますが、それはサスペンスの宿命で仕方のないところ。そこに注文をつけるのは野暮と言うもの。第二次世界大戦前の作品だということを忘れずに観れば、十分楽しめると思います。