TV朝日の人気刑事ドラマ、"相棒"の劇場版第四弾。TVはプレシリーズから、劇場版は第一作から観ています。

屋敷で友だちとかくれんぼうをしていた瑛里佳が隠れていたクローゼットから出ると、他の人は全員死んでいました。事件の後、誰かに連れ去られたのか、瑛里佳は姿を消します。その7年後、警視庁特命係、右京と冠城は、香港から来たリュウとともに、国際犯罪組織"バーズ"を追っていました。そんな中、"バーズ"は成長した瑛里佳の映像を警察に送り、身代金を要求してきて...。

映画にする以上は...という意気込みがあるので仕方ないのでしょうけれど、これまでの劇場版は、大風呂敷拡げ過ぎて、そこが違和感を生み出していた気がしていました。今回は、瑛里佳に関する部分以外は、あまりアレコレ引っ掛からず、割と純粋に楽しめました。

問題は、瑛里佳に関する部分。瑛里佳が姿を消したのは7年前。そんなに昔の話ではありません。人種差別的ないじめが描かれていました/う。屋敷にいた全員が死んでしまうというのも不思議。"カンパイ!"で同時に飲んだわけでもないでしょうし、何人かは他の人の様子を見て警戒するのが自然なのではないかと...。身代金要求映像の髪型とリアルな瑛里佳の髪型の違う理由もよくわかりませんでした。自由に出歩けるようにするための変装にしてはあまりに中途半端だし...。"冠城亘"の名刺を見て大正解の読み方で読んでしまうのもあまりに不思議。普通、読めないでしょう。特に、瑛里佳は長く日本にいなかったのだし...。そして、瑛里佳が"レイブン"について、"本当の父親のように"と言っていることで、"レイブン"が誰だか想像がついてしまうし...。ここは、ハラハラドキドキ感を冷ましてしまっていて残念。

瑛里部分の残念さは少なからずありましたが、アレコレ目を瞑れば、それなりに楽しめるでしょう。まぁ、相棒ファン向け作品ではありますが...。TVシリーズではなかなか会えなくなってしまった二代目相棒の神戸尊、鑑識の米沢守の登場はファンにとって嬉しいところ。神戸さんの消え方は呆気なさ過ぎて物足りなかったですが...。

それでも、国家の名のもとに個人を犠牲にすることの酷さ、個人の犠牲を軽く受け止める国家権力の理不尽さを見据えたストーリーは、見応えありました。


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