アデライン、100年目の恋 [DVD]/ブレイク・ライヴリー,ミキール・ハースマン,ハリソン・フォード
¥3,564
Amazon.co.jp


"ジェニー・ラーソン"と名乗る女性がとある家を訪れ、"スーザン・フライシャー"名義のパスポートを購入しますが、実は、どちらも偽名。その女性、アデライン・ボウマンは愛犬のリースに餌をやり、大急ぎで職場であるサンフランシスコの中央資料館に向かいます。"ジェニー・ラーソン"は、老朽化したマイクロフィルムの処理をしながら、過去の新聞記事を眺め、アデライン・ボウマンとしての人生に思いを馳せます。アデラインが生まれたのは、1908年1月1日。21歳で建設技師の夫と結婚し、娘のフレミングを授かりますが、結婚8年目、アデラインが29歳の時にに夫が建設現場で事故死。その冬、アデラインは車で事故に遭い川底へ転落。低体温症で一度は心停止しますが、落雷により奇跡的に心臓が動き出します。それがきっかけで、何故か、彼女の身体は歳をとらなくなります。中年になっても外見は29歳のまま。交通違反で停車を命じた警官に怪しまれたり、FBIに拉致されかけたりして身の危険を感じるようになったアデラインは、娘の安全を守るために10年ごとに名前と住居、外見を変える逃亡生活を続けていましたが...。

不老不死を夢見る人は少なくないようで、そのために配下の者たちに多大なる迷惑を及ぼした権力者も少なくなかったりしますが、本当に不老不死を手に入れても、そう簡単に、メデタシメデタシとはならないでしょう。

歳を取らないという運命の過酷さを、本作は、母よりずっと老いて見える娘の姿を映し出すことで見事に表現しています。"母と娘"が"姉妹"になり、"娘と母"になり、"孫と祖母"になり...。なかなか残酷な運命です。親として子に先立たれるより辛いことはないと思うのですが、そんな悲劇が迫っていることを予感させられます。

ジェニーと名乗るアデラインと、かつての恋人、ウィリアムが、"若い娘とその恋人の父"として再開するシーン。ウィリアムを演じた名優、ハリソン・フォードの驚き振りが印象的です。このウィリアムの登場で、物語も深みを増していきます。ベテランの力を感じさせられました。そして、ウィリアムの青年時代を演じた俳優が、老いたウィリアムに似た雰囲気を持っているのも自然な感じで良かったと思います。主演のブレイク・ライヴリーが、彼女の生きた長い時代のファッションを美しく着こなす辺りも見事だったと思います。スッキリした立ち姿がとても美しかったです。

"ハーレクインロマンス"的な甘~~~い恋愛物語ですが、地下に埋もれた開拓時代の船、ゴールデンゲート・ブリッジの事故など、舞台となっているサンフランシスコの過去の出来事が上手く取り入れられ、リアリティを醸し出しています。(もう一つ、インドアのドライブインシアターの話が登場するのですが、これが史実かどうか確認できませんでした。)

2度目の交通事故については都合が良すぎる感じもしましたが、"真実を明らかにした(="事実を事実として受け入れた")からこそ隠していた事実から自由になれた"ってことなのでしょう。

物語の描き方も良いのでしょう。ストーリーの甘さ、薄さの割には、楽しめました。


↓よろしければ、ポチッとお願いします。
人気ブログランキング