アウトブレイク [DVD]/ダスティン・ホフマン,レネ・ルッソ,モーガン・フリーマン
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アフリカ、モタバ川流域。正体不明のウイルスに感染し、皮膚が腫れ体中の穴という穴から出血して死んでいく無数の住民たちが死んでいくという事態が発生。現地調査に赴いたアメリカ軍医学研究所のサム・ダニエルズは軍に警戒態勢を進言するが却下されてしまいます。しかしその後、同じ症状の患者がカリフォルニアに出現。爆発的な速度で蔓廷する殺人ウイルスは一気に全米をパニックに陥れ...。

驚異的なスピードにウイルスが拡がっていく描写には迫力がありました。冒頭に「人類の最大の敵はウイルスだ。」と字幕が登場しますが、本作では、人間に対し猛威を振るいます。普通の状態で人間の五感でその存在を確認することができない存在なだけに、次々に人の命がウイルスに奪われていく様子には恐ろしさが感じられました。新型インフルエンザとか、SARSとか、私たちの日常と無関係ではないところで、現に問題が起こっているだけに、怖さを実感させられました。

ただ、中盤からは、かなり粗が目立つようになります。危険度の高いところに入るための防護服があんなに簡単に破けたりしないだろうとか、宿主の猿があまりに簡単に見つかってしまうとか、そんなにあっという間に血清を作れるはずもないだろうとか、ほとんど瀕死の状態で血清を打っても回復はしないだろうとか、いくら逃げるヘリのパイロットの腕が良いからってあんな近距離で撃ち損ねるってことはないだろうとか、突っ込みどころ満載。そして、サムも有能ですが、それ以上に、病原菌の分析から、ヘリの"曲芸飛行"までこなすソルト少佐のスーパー振りは呆れてしまうレベル。

それでも、スピード感ある展開には惹きつけられましたし、名優たちが力のある演技で、観ている間はすんなりその世界に入ることができました。

そして、ウイルスも勿論恐ろしいのですが、その"人類最大の敵"さえも兵器にしてしまう人間の恐ろしさについても、描かれます。猛毒を持つフグを食べ、百獣の王であるライオンを見世物にし、そんなライオンたちでさえ恐れる象に仕事をさせるのが人間なワケで、人間がいかに自然にとって脅威であるのかについても考えさせられました。

ウイルス関係以外に、サムと別れた妻の物語も加えられていますが、その部分は蛇足だったような...。軍の内部のゴタゴタにしても、取り入れるにしても、もう少しアッサリにしても、辻褄は合わせられた感じがします。

かつて地球上を支配した恐竜たちが絶滅したように、いつか、人類も終わりの時を迎えるのでしょう。人類の絶滅は、ウイルスによるのか、自然災害によるのか、隕石の衝突によるのか、食料や資源の枯渇によるのか...。その"終わりの始まり"はもうとっくに始まっているのかもしれません。



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