ANNIE/アニー(通常版) [DVD]/ジェイミー・フォックス,クワベンジャネ・ウォレス ,キャメロン・ディアス
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ハロルド・グレイの新聞連載漫画"小さな孤児アニー"。それがブロードウエイ・ミュージカル"アニー"となったのですが、大恐慌の時代から現代のニューヨークに舞台を移して映画化した作品。1982年に映画化され、1999年にもテレビ映画化されていますので、3回目の映画化ということになるのでしょうか。元となった漫画やミュージカル、以前の映画化作品も未見です。

ニュー ヨーク、マンハッタン。携帯電話会社のCEOでNY市長候補のスタックスは選挙キャンペーン中、偶然、車にはねられそうになった少女、アニーを助けます。少女の名前はアニー。彼女は、4歳の頃、レストランに置き去りにされて以来、横暴なハニガンが営む施設で暮らしていました。10歳になるアニーは、毎週金曜日の夜、そのレストランの前で迎えにくるはずのない両親を待ち続けていました。スタックスはそんなアニーの境遇を選挙戦に利用しよう考え、彼女を引き取り、超高層ビルのペントハウスで一緒に暮らし始めます。アニーも自分が有名になれば両親が名乗り出てくるかも知れないと考え、スタックスの選挙戦に協力することにしますが...。

日本でも長きに亘って上演されているミュージカル。なので、物語についても、何となく聞いたことはあるのですが、物語をきちんと見たのは初めてです。

分かりやすい物語、ベタベタな予測通りの展開、本物の悪人の不在、安心感のあるハッピーエンド...。いかにもミュージカルな感じは、それはそれで悪くなかったと思います。さすがにミュージカルなだけあって、口と歌詞があっていない感じがあったものの、それでも、音楽は良かったです。やはり、特に"Tommorow"。歌詞で訴えられている内容は、単純と言えば単純ですが、真理を突いていることも確か。そう簡単にはいかない現実を実感しつつも、その明るさには希望を感じます。まぁ、ミュージカル映画である以上、もっと物語全体が音楽に引っ張られて進行していく感じが欲しかったとも思いますが...。

まだまだ小さ女の子であるアニーが、良い大人、それも、なかり成功している部類の大人であるスタックスを翻弄する辺り、ありがちな展開とはいえ、なかなか面白かったです。

ただ、舞台を現代に移したという点が成功しているかどうかとなると微妙ではあります。時代背景やその時代の価値観は、物語の流れに影響を与えるので、時代を置き換えるという作業は複雑で難しいものになってしまうのかもしれません。

アニーとスタックが心を通わせていく過程やハニガンが善い人に変わっていく過程の描き方が雑で、そこは気になりました。物語の上でも大きなポイントになる部分だと思いますので、もう少し時間をかけて丁寧に描いてほしかったです。多少、そこで時間を取っても、全体として2時間程度で纏め上げることはそんなに難しくなかったのではないかと...。

それにしても、ハニガンを演じたキャメロン・ディアスの弾けっぷりが気持ち良かったです。見事に嫌味でだらしないオバさんでした。やり過ぎ感はありましたが、こうした分かりやすい作品では、これぐらいの方がいいのかもしれません。そして、スタックスを演じたジェイミー・フォックスが、なかなか印象的でした。

取り立てて印象的な作品とまでは言えませんが、レンタルのDVDで観るには悪くない作品だと思います。


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