ファースト・ワイフ・クラブ [DVD]/ゴールディ・ホーン,ベット・ミドラー,ダイアン・キートン
¥1,543
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オリヴィア・ゴールドスミスの小説を映画化した作品。原作は未読です。

大学時代の親友シンシア、アニー、エリース、ブレンダ。卒業後はそれぞれ結婚し、離れていましたが、シンシアが自殺。その葬儀で、アニー、エリース、ブレンダの3人は、20年振りに再開します。夫と別居中のアニー、離婚調停中のエリース、浮気癖の直らない夫に苛立つブレンダ。それぞれ夫のことで悩みを抱える3人は、たちまち意気投合、"ファースト・ワイフ・クラブ"を結成し、夫たちへの反撃を開始し...。

単なる復讐劇に終わっていないところに好感を持てました。おばちゃんたちが一致団結してしょうもない夫たちをやっつけるのですが、ボロボロになるまでとことん追いつめるというのではなく、程よいところで止めていて、コメディの雰囲気を巧く保っている辺りなかなかのもの。まぁ、シンシアの件は、もう少し何とかしても良かった気がしますが...。折角なら、最後は4人で笑いあう展開にして欲しかったような...。それに、シンシアの夫への"復讐"が置き去りにされてしまったのも残念でした。

まぁ、それはさておき...。

アニー、エリース、ブレンダのそれぞれのキャラクターがしっかり描かれていて、それぞれに変だけれど、妙に魅力的です。少々、はしゃぎ過ぎな場面もありましたが、力のあるベテラン女優たちの演技に支えられ、楽しく観ることができました。

都合良すぎる展開があったりもしましたしが、まぁ、この雰囲気のコメディ作品なら自然に受け入れられる範囲でしょう。何だかんだ言ってもお金がなきゃダメなのね的な感じがあったりもしましたが、それも現実ではあります。

そして、本作は基本復讐劇で、3人が夫たちを痛めつける過程を描いているのですが、それ以上に、3人+1(シンシア)の友情劇になっているところが、作品の雰囲気を小気味よいものにしているのでしょう。3人が、互いの友情を信じられたからこそ、不毛な徹底した復讐に走らずに済んだのかもしれません。泥沼の復讐劇では、例え、復讐に"成功"したとしても、勝った側にもどこかに痛みが残るもの。元夫婦なら、可愛い我が子の中に夫の影を見ることになるワケで、その相手を徹底的に痛めつけたのでは、穏やかではいられないでしょう。そう、彼女たちを救ったのは、復讐の成功ではなく、友情なのでしょう。そこが本作の最大の魅力なのだと思います。

多少、中だるみする部分があったりもしましたが、軽く楽しめるコメディでした。


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