悪の法則 [DVD]/マイケル・ファスベンダー,ペネロペ・クルス,キャメロン・ディアス
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メキシコ国境近くの町。"カウンセラー"と呼ばれる若く有能な弁護士は、恋人のローラとの結婚も決まり、幸せの絶頂にいました。そんな時、実業家のライナーや裏社会のブローカー、ウエストリーと手を組み、新たなビジネスを始めようとします。その仕事で、巨額の利益を得るはずでしたが...。

一度、悪に手を染めてしまうと、そこから抜け出すことは容易ではありません。悪に関わったことを知る者から脅迫されたりすれば、ズルズルと深みにはまっていくことになるのでしょう。そうして、単なる協力者から、正真正銘の犯罪者となっていく。いくら優秀な弁護士と言えど、犯罪者としては素人。弁護士として事件にかかわるのと犯罪者として事件にかかわるのとでは、立場も全く違います。欲に引っ張られて安易に手を出せることではありません。

"カウンセラー"には、その覚悟がなかった...ということなのかもしれません。"有能な弁護士"なだけに、自身の力を過信してしまったのかもしれません。最初の頃のやけにお気楽な雰囲気が彼の危うさを醸し出しています。

そして、"カウンセラー"には何度も違う選択をするチャンスがあったのに、彼は、その度に間違った選択をしてしまっていました。そもそもは"ダイヤの警告"を無視したことに始まった...ということになるのでしょう。ダイヤをかう場面を始め、"カウンセラー"にとっての岐路となる場面がいくつか出てくるのですが、それが後の展開の伏線になっていることが分かりにくく、観終えた後のスッキリ感はあまりありませんでした。

まぁ、この理不尽に追い詰められていく恐怖にはゾクゾクしましたが、そこも、伏線とその後の展開の繋がりが分かりにくかったために、やや薄味になってしまった感じで残念でした。

そして、前半の意味ありげなセリフがたっぷり盛り込まれた会話劇や意味ありげなエピソードの描写が長過ぎました。そのために、テンポも悪くなっていたような...。まぁ、その後の展開への伏線にもなっているのですが、もう少し、素直に、シンプル形でコンパクトにまとめても良かったような...。カッコつけすぎた感じもしましたし...。

キャメロン・ディアス演じると車のF○○○シーンなど、奇抜さだけを追求したような何だか変に肩ひじ張ったシーンも目につき、ストーリーの流れもギクシャクした感じがします。

大物俳優が演じる役どころが次々に殺されていきます。他の作品ではなかなか見られない大スターたちの案外あっけなく殺される演技が観られるのは、結構、興味深かったりもします。この贅沢な感じは悪くないのですが、折角の豪華な出演陣が活かし切れてなくて勿体ない感じがします。


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