アニー・ホール [DVD]/ウディ・アレン,ダイアン・キートン,トニー・ロバーツ
¥1,533
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NYで、TVやナイトクラブに出演している芸人のアルビーは、テニスクラブで歌手志望のアニーと出逢い、意気投合。"自由な交際"という約束で同棲を始めます。何となく巧くいっていた2人でしたが、やがて、互いの嫌なところに目が向くようになります。そんな中、アニーは、人気歌手トニーからハリウッド行きを勧められ...。

互いに相手に想いを寄せながらもすれ違っていく2人。愛する相手は大切だけれど、それが人生のすべてとも思えない。一途な愛に走るラブロマンスは美しいけれど、そんな世界にどっぷりと浸かれるほど世間知らずではない人々の心に触れるものがある作品だと思います。

ただ、やはり、古い感じはしてしまいます。1977年...37年前の作品ですから仕方ないのだとは思いますが、本作のようなオシャレ感を追求した作品というのは、どうしても、年月という洗礼を受ける中で古びていってしまうのでしょう。画面が2分割されたり、アルビーを演じるウディ・アレンがスクリーン越しに観客に語りかけてきたり、時空を超えて会話をしたり、アニメの世界に入り込んだり...。当時としては時代の最先端を行く表現だったのでしょうけれど...。

で、ストーリーも自然体でリアルで悪くないし、描き方も過剰な演出がなくアッサリとして心地よさはあるのですが、一方で、胸に刺さってくるような印象的なものも感じられず...。良くも悪くもナチュラルでリアルな作品。

で、そのリアルさゆえに、観ているうちに、次第に、アルビーとウディ・アレンが重なっていきます。アルビーは、ウディ・アレンにとって"そうありたかった自分の姿"なのかもしれません。ウジウジした情けない奴なのに、どこか可愛らしさがあり、人間的な魅力があり、アニーのような美女にも、一時的ではあっても惚れられてしまう...。そんな願望をこうして作品にして世の中に出せる...それこそが、人気映画監督の悦楽...ってことなのかもしれません。

やたらとセリフが多いのも気になりますが、本作は基本的に"こじゃれた会話を楽しむ作品"なのでしょう。...という意味では、本作を流れる大量の言葉をそのスピードで英語で聴き取れる人以外が本当に楽しむことは難しい作品なのかもしれません。

といことで、今一つ、面白さを理解できない作品でしたけれど、それは、英語力の問題かもしれない...そんな感じもした作品です。


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