アイム・ソー・エキサイテッド! [DVD]/カルロス・アレセス,ハビエル・カマラ,ラウル・アレバロ
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スペイン、マドリードからメキシコ・シティへ向かう航空機にトラブルが発生。 けれど、着陸するためには、地上での受け入れ体制が整わなければなりませんし、余分な燃料を使い切らなければなりません。空中で旋回する飛行機の中、オネエの客室乗務員たち、パイロットたち、乗客たちの素性が徐々に明らかになっていき...。

相当に個性的というか、ヘンな人々に溢れています。その辺りが徐々に分かってくるのですが、それぞれが何度も奇妙でオカシクて、それだけで事態の緊急性など忘れられそうなレベル。スピリチュアル系の女性、スペインに残してきた精神を病んでいる恋人が気がかりな元人気俳優、クレーマーなSM女王、怪しげな警備アドバイザー、不祥事を起こした銀行の頭取、危ない薬を持っている新婚カップル...。そして、オネエな客室乗務員たちと機長、副操縦士たちの間には複雑な関係があるようで...。

まぁ、いろいろと弾けてはいるのですが、下ネタ...というよりは、エロな方向に走り過ぎた感じと、登場人物それぞれの個性があまりにアッチコッチ極端に走り過ぎたせいか作品の中で巧く生かし切れておらず、全体的に消化不良な感じがしました。

起こっている事態の割に緊張感がないのはコメディだから仕方ないのかもしれませんが、それにしても、登場人物たちがピリピリしている場面でも危機感が漂ってこないというのは、やはり、臨場感に欠ける感じがします。状況に対する緊迫感があって、それを忘れるためにハッチャケて、笑える作品になるような気がするのですが、どちらもどこか中途半端な感じで、今一つ、作品の世界に浸ることができませんでした。

飛行機の中も、ビジネスクラスを舞台にしていることを忘れさせるチープな感じ。エコノミーの乗客はみんな眠らせて...という設定で、切り捨てたのは面白い工夫だと思いますが、ビジネスクラスを舞台にするのなら、もう少し、リッチな感じを出して欲しかったところ。チープな感じで徹するなら、もっと、安っぽい路線で突っ走って欲しかったですし、この辺りも何とも中途半端な感じでした。

この内容で、この演出で90分は、正直、長く感じてしまいました。

まぁ、元来、コメディというのは、文化圏を越えて理解することが難しいもの。悲劇については、文化の差異を超えて共感し合えますが、私たちがアメリカン・ジョークでアメリカ人のように爆笑できないように、本作も、スペインの人なら大爆笑の優れたコメディなのかもしれません。作品の問題なのか、文化の違いの問題なのか、その辺りはよく分かりませんが、あまり楽しめませんでした。



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