明日の空の向こうに [DVD]/オレグ・ルィバ,エウゲヌィ・ルィバ,アフメド・サルダロフ
¥4,725
Amazon.co.jp


1990年初め、ロシア、カリーニングラード駅に住んでいた3人の少年の実話に基づいた映画。


ポーランドと国境を接する旧ソ連(ロシア)の貧しい村。親も、住む家もなく、鉄道の駅舎で、物乞いや盗みをしながら日々を過ごしている3人の少年、11歳のリャパ、10歳のヴァーシャ、6歳のペチャがいました。彼らは外国に行けばきっともっと良い暮らしが出来るはずだと考え、命がけで国境を越えようと旅立ちます。様々な困難を乗り越え、ようやくポーランドの田舎町に辿り着きますが...。


3人の子どもが可愛らしく、その表情を観ているだけで満足させられてしまう、反則技の映画です。


日本でいうなら、小学校も卒業していない年頃の子どもたち。そんな幼い子どもたちにとっては、あまりに長い道のりを、満足なお金も、食料も、水も持たずに歩いていく。その時その時、彼らを取り巻く厳しさの中で生き抜く力を身に付けながら、子どもたちにとってはあまりに長い道のりを歩いていきます。時には、その愛らしさを武器にしながら。


この道のりを諦めずに突き進まずにはいられない程、あるいは、その道のりが特に厳しいものだとは感じられない程に、彼らのロシアでの生活は厳しかったと言うことなのでしょう。何度も苦難に出会った彼らは、それでも、進むことを諦めませんでした。


どこまで実話に忠実に作られた映画なのかは分かりませんが、本当にこの幼い子どもたちだけで国境を超えたのだとしたら、物凄いこと。


貨物列車に無断で、もちろん無料で乗り込み、農家の納屋で夜を過ごし、ヒッチハイクをし...。電気が通る何重もの有刺鉄線の柵に護られる国境をも超え、やっとの思いで幸せになれるはずの土地、ポーランドに辿り着きます。


けれど、そんな努力は、すべて無に帰します。子どもたちをロシアに戻すため、彼らを乗せた車は、3人が何日もかけて苦労して進んできた道をあっという間に走り抜けていきます。思わぬところから引き取り手が現れるというような奇跡が起こることもなく、子どもたちは戻されていきます。


それでも、気持ちを切り替えて笑顔を見せる子どもたち。その"笑顔力"に希望を見たくなります。