アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち [DVD]/エレン・バーキン,エズラ・ミラー,エレン・バースティン
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元夫ポールとの息子ディランの結婚式のため、リンは現在の夫との息子たちを連れ久々に実家へ戻ります。しかし、反りの合わない家族との再会、ケンカ別れした元夫やその妻パティの嫌味三昧に、リンは着いた早々うんざり。加えて、ポールとの間に生まれたディランとアリスは自分の子にもかかわらず、離婚時ポールに引き取られたため、会えずにいたことが彼女を苦しめます。 リンの母ドリスも、認知症にかかった夫との生活に疲れ果て、リンを気にかけるどころか煩わしくさえ思う始末。久々に一堂に会しながら、お互いが抱える悩みや問題を受け入れず身勝手に振る舞う家族たち。押し込められたそれぞれの苦しみは、式が近づくにつれてどんどん高まっていき...。


それにしても、激しいです。家族という間柄、これがなかなか複雑で、一番近しい存在でありながら、いえ、むしろそれだからこそ、深刻なトラブルを起こしやすいものでもあります。家族だからという甘えと期待。それが、それぞれの中で、ちょっとずつ噛みあわなくなっていき、大きな諍いを生みだしていく...。


いっそのこと、赤の他人なら、許したり、譲れたり、妥協したりできても、家族だからこそ、気になってしまうこと、許せないこと、譲れないことがある...それは、多くの人が家族との付き合いの中で経験することでしょう。


そして、そこに、現在の妻と元妻という夫と息子と娘を取りあった関係が加わると収拾がつかなくなる...のは確かでしょう。そして、そんな混乱が十分予測される中でも、無関係でいられないのが家族の難しさ...なのでしょう。


で、それぞれの中に溜まったものが、ところどころで噴出して、ドタバタして、実質何も解決しないままにことが収まって終了...という流れは、リアリティが感じられますが、映画作品としては中途半端間が否めません。ことに、2時間というそれなりの時間をかけた作品で、ここまで中途半端にジ・エンドでは、消化不良感が否めません。


イライラするのはよく分かるのですが、もう少し、自制とか、譲り合いとかも必要...だって分かっていたらこうはならない...ということでしょうか。基本的に、大人になり切れない幼未熟さがぶつかり合っているのか、普段はそれなりの生活を営む大人たちが家族の中で幼さを引き出されているのか...その辺りが分かるように描かれているともう少し、リンやパティにも寄り添えたような気もするのですが...。


観ていてエネルギーを吸い取られる感じもしたりするので、元気がない時には見ない方が良いかもな作品だと思います。