アダムス・ファミリー [DVD]/アンジェリカ・ヒューストン,ラウル・ジュリア,クリストファー・ロイド
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1937年に"ザ・ニューヨーカー"に掲載されていたリチャード・アダムスの一コマ漫画が原作。1964年には、TVでドラマ版、アニメ版が放送されています。漫画は未読、ドラマとアニメは未見です。


アダムス家は主人ゴメズ、魔女の妻、モーティシアとその母グラニー、長男パグズリー、長女ウェンズデー、無口な執事のラーチ、そして"ハンド"と先祖代々の一軒家に暮らしていました。他人の不幸がなによりも嬉しいゴメズでしたが、25年前に失踪した兄フェスターのことは、ずっと気になっていました。恒例の交霊会が行われた嵐の夜、突如、フェスター本人が現れて兄弟は感動の再会を果たします。しかし、フェスターは借金に困った顧問弁護士のタリーが送り込んだニセモノでした。ゴメズたちは、以前よりも“普通の人"になっているフェスターに疑いを抱きますが、ピンダーシュロス博士に説得されて納得。次第にフェスターもアダムス一家に慣れて“変化"していきます。そして裁判所命令が下り、アダムス家は住み慣れた家をフェスターに譲らねばならなくなり...。


原作は、1937年の作品で、本作の制作が1991年。原作から76年、制作されてから22年。結構、古い作品ですが、全く、古さを感じさせない作品です。舞台となっているのが、とってもアンティークな感じのお屋敷で、実に古い時代から長い時間を生き続けている面々が活躍する作品だから、多少、古い感じがしても不自然な感じがしない...ということなのかもしれませんが、時代を越えて受け入れられる作品に仕上がっていると思います。


家族のあれこれを描いた明るくて陽気なホラーでした。基本、怖い映像はNGで、いくらコメディーと銘打たれていてもホラーはホラーな本作を観るのは避けていたのですが、そんなことは全く杞憂にすぎませんでした。ホラー映像が大の苦手な私でも安心して観ていられるコミカルな要素が強い作品です。


漫画が原作で、アニメも作られた作品ですが、まだに、漫画がそのまま三次元になったような造形、人物の造作。しっかりと奇妙さを出しながらも、どこか、その辺に普通にいる家族な雰囲気を出していました。特に、"ハンド"の動きは良くできていて、これは、一家に一つ欲しくなるような優れものです。


アダムス家の価値観は世間一般とは逆...なのだそうですが、それでも、家族には愛があります。家族愛を大切にする世間と同じ一家で、逆になろうとしてなり切れなかった...のでしょうか。それとも、これは、世間の家族には本物の愛はないって言いたかったのでしょうか...。まぁ、この辺り、中途半端な感じもしました。


もうちょっと、ブラックで、ホラーな雰囲気にしてもよかったような気もしますが、作品の雰囲気はとてもよく、アダムス家に遊びに生きたくなるような作品でした。ストーリー的には、かなり、ありきたりな感じもしますが、キャラクターの造形の面白さなどで見せてくれます。一度は観ておきたい作品だと思います。


ドラマもアニメも観たことがないはずなのですが、テーマ音楽は聞き覚えがある曲で、懐かしかったです。多少は、観たことあったのか...、音楽だけ聴いたことがあったのか...???