プリンセス トヨトミ DVDスタンダード・エディション/堤真一,綾瀬はるか,岡田将生
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万条目学の同名小説を映画化した作品。原作は未読です。


7月8日金曜日、午後4時。大阪が全停止します。通常の街としての営業活動、商業活動は停止し、公共交通機関もストップ。その原因となったのは、東京からやって来た会計検査院の調査官がある真実に辿り着いたこと。実は、1615年の大阪夏の陣で断絶したはずの豊臣家は、存続していて...。


まぁ、原作がある作品なので、必ずしも本作の問題ではないのかもしれませんが、あまりにもあまりにもな設定です。奇想天外はよいのですが、それにしても、もっとそれらしくもっともらしい理屈を捻って欲しかったです。


長い年月、秘密を守り続けるにはあまりに関係者が多過ぎるし、仮に、これだけの男たちが秘密を共有することに成功したとしても、女たちや子どもたち、若い男たちは街に残っていたわけで、それなら、街があそこまで閑散となるワケもなく...。それに、大阪なんだから、大阪国とは何の関係もない観光客やよそから来たビジネス関係者もたくさんいたはずだし...。


大体、彼らが"決起"した理由がくだらな過ぎ。鳥居はプリンセスを保護しただけ。それも、タクシーを使っているのだから追跡はできたわけで、こんなしょうもない勘違いをするような人たちが、こうした大それた秘密を守れるはずもなく...。そもそも、本気でプリンセスを守る気があるのなら、護衛をつけるべきで...。5億円もの予算があるのだし...。


で、意味ありげな富士山と十字架、これも、結局、意味不明でした。


"鬼の松平"役の堤真一、"大統領"の中井貴一、鳥居役の綾瀬はるか、ゲーンズブール役の岡田将生、それぞれいい味出していたと思いますし、前半部分は先へ向けてのドキドキ感があっただけに、この説得力のなさはあまりに残念でした。


近年稀にみるがっかりな映画作品でした。



プリンセス トヨトミ@ぴあ映画生活