ライフ -いのちをつなぐ物語- DVD スタンダード・エディション/出演者不明
¥2,980
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地球上の全大陸に生きる生き物たちの姿を"生きるって何?"というテーマのもと、捉えていきます。"BBCアース・フィルムズ"のネイチャー・ドキュメンタリー。


生態系というもののバランスの素晴らしさを改めて実感します。生まれて生きて、やがて、死を迎える。命というものは、死んでいくことで初めて完結するものなのでしょう。個々の命が終わりを迎えることで次の命に繋がっていく。本作の副題には「いのちをつなぐ」とありますが、他の命を支える食物となることで生態系を支え、新しい個体に生きる場所や餌の取り分を譲り渡すことで種の存在を繋いでいく。その絶妙なまでのバランスに感動しました。


普通は単独で狩りをするというチーターの兄弟が3頭で協力してダチョウを狩るシーンが印象的でした。その近くにはシマウマがいたり、キリンがいたり。数種の動物がいるところにチーターがやってきますが、大きさで優位に立っている余裕かキリンはゆったり構えている感じ。シマウマには少しばかり緊張が走った様子もありましたが、彼らがダチョウに狙いをつけたことが分かると高みの見物。メスとオスと2頭いたダチョウは追われて逃げますが、メスが捉えられ食いつかれるとオスは逃げるのをやめます。彼らは、チーターがこれ以上、狩りをしないことを知っているのでしょうか。"生きるために必要な分を超えるエサは取らない"のは、チーターの飢餓を防ぐ工夫なのかもしれません。そして、捕食される方の動物は、捕食する動物の存在によって個体数が増えすぎることを防ぎ、種を維持する。単に弱肉強食という言葉では片づけられない持ちつ持たれつの世界。


本作のような作品は、極々小さい生き物から大きな生き物まで、地上から空から地下まで、小さな動きから大きな動きまで対応する撮影技術の進歩があってこそ生まれ得る作品。工業技術の進歩が自然に悪影響を与えてきた歴史を振り返ると、こうした技術を使って自然を知ることの矛盾についても考えさせらえます。


そして、あまりに、人間の価値観を人間以外の生き物に押し付けているようなナレーションには違和感がありました。ここは、彼らの行動についてあまりあれこれ勝手な解釈をすべきではなかったような...。


まぁ、特別どうということもないけれど、悪くもない作品だと思います。この手の作品にしては昆虫や爬虫類が多い感じがしましたので、そこは、好みが分かれるところかもしれません。


映像的には大きなスクリーンで観たい気もしますが、まぁ、レンタルのDVDでながら見が適当なところでしょうか。



ライフ -いのちをつなぐ物語-@ぴあ映画生活