あしたのジョー スタンダード・エディション [DVD]/山下智久,伊勢谷友介,香里奈
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高森朝雄、ちばてつや作の大ヒット漫画「あしたのジョー」を実写映画化した作品。


昭和40年代。矢吹丈は、東京の下町で貧しく殺伐とした日々を過ごしていました。ある出来事から丹下段平にボクシングの才能を見い出された矢吹丈ですが、ケンかがもとで少年院に入れられてしまいます。そこでプロボクサー、力石徹と出逢い、彼にライバル心を抱くようになります。闘争本能に目覚めた丈は、段平からの手紙でボクシングの基礎を学びます。出所後、プロボクサーとなった丈は、ついに力石との対戦を迎え...。


丈を演じた山下智久、力石を演じた伊勢谷友介の鍛え上げた身体は見事。特に伊勢谷友介の減量は印象的でした。そして、段平役の香川照之は、まさに丹下段平そのもので圧巻でした。


実写化してはいけなかった作品なのだと思います。それも130分という時間で描くにはあまりに無理のある原作です。


せめてタイトルの「あしたのジョー」に繋がる段平からの「あしたのために」というメッセージ。あの部分をもっと丁寧に段平と丈の心の交流、丈の気持ちの変化を描いていれば、原作とは別物の映画作品として味わえたような気がします。


この辺りが原作ものの辛いところなのでしょう。特に本作のような歴史的な人気を博した原作のある作品の場合、観る時に原作のイメージを完全に排除するのは難しいところ。しかもこうした長編を映画化する場合、どうしても大胆にストーリーを削ることになります。その取捨選択が、作品の甲乙に大きな影響を与えてしまうわけですが、本作の場合、そこで成功したとは言えないような...。


出演陣がかなり力を入れて取り組んでいることがよく伝わってくる作品だけに、残念な気がします。



あしたのジョー@ぴあ映画生活





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