ブリット スペシャル・エディション [DVD]/スティーブ・マックィーン,ロバート・ボーン,ジャクリーン・ビセット
¥3,980
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サンフランシスコの刑事、ブリットは、ある日、地元選出の上院議員、チャルマースの依頼で、シンジケートを告発する証人、ジョニーを保護することになりました。仲間の刑事と交代でホテルに滞在するジョニーを護衛することになったブリットですが、他の刑事をジョニーに張り付かせ、恋人のキャリーに会っていた間に、ジョニーが銃撃されてしまい、ジョニーも刑事も重傷を負ってしまいます。2人とも病院に運ばれ手当てを受けますが、ジョニーの方は助かりませんでした。ブリットは、ジョニー殺しの犯人を追いますが...。


こ~ゆ~のこそが、男臭いカッコよさなのでしょうね。権力にはなびかず、しっかりと抵抗し、無駄に喋らず、恋人にも媚びず、自分の信じる正義を貫く。その上に、ファッションについても手は抜かない。確かにカッコいいです。渋くて、いかにも硬派なオトコの中のオトコって空気に溢れています。


その信念を貫く刑事をスティーブ・マックィーンが好演しています。いわゆる、ハマリ役ってヤツでしょう。こうした"ブレのない正義のオトコ"は、ぴったりですね。


テンポも良いし、音楽の使い方なども考えられていて巧み。映像もスタイリッシュな空気を漂わせています。


スティーブ・マックィーン演じる正義の刑事を鑑賞する作品としては見事。彼のカッコよさを余すところなく伝える作品となっていると思います。


ただ、一方で、ブリット以外の人物の扱われ方が、少々、雑になってしまっている感じがします。ラストの展開にしても、彼の権力を振りかざして威張り散らすチャルマースに対する苛立ちや反発は分かりますが、だからといって、あれでいいのか...。その不満は、相手のチャルマースその人に直接ぶつけるべきではなかったのか...。いくら、チャルマースに対する意趣返しができるにしても、あの結末はないような...。ラストの"対決"の場面、ブリットには、違った結末を選択するゆとりがあったと思うのですが...。


それに、確かに、あのチャルマース、嫌なヤツですが、ブリットの仕事の進め方に判断の甘さがあったことも確か。自分で付け込まれる隙を作ってしまったという面もあるわけなのですから、あまり一方的に彼に反発するのもどうかと...。


スティーブ・マックィーンのカッコよさに酔えるかどうか、そこが本作を楽しめるかどうかの大きな分かれ目になるのでしょう。



ブリット@ぴあ映画生活