赤い橋の下のぬるい水 [DVD]
¥3,900
Amazon.co.jp


失業中の笹野は、仲の良いホームレスから、能登半島の赤い橋のたもとにある家の下に宝物が眠っていると聞かされ、お宝探しの旅に出ます。赤い橋を見つけ、その橋のたもとには確かに家がありましたが、そこには老いた女とサエコという名の美女の2人が住んでいました。このサエコは、身体の中に水が溜まる奇病の持ち主。水が溜まると苦しくて仕方がないのですが、それを放出するには、悪いことをするかセックスするかのどちらかしかありません。笹野は、後者の方法に付き合うため、サエコの元に通い始めますが...。


これぞ、今村昌平といったところでしょうか?


ただ、その「今村昌平振り」があまりにゆるい形で剥き出しになりすぎているというか...。一つの作品として見ると、作りこみが足りなさ過ぎるというか...。それを「成熟」と感じるか、「老い」と受け止めるか...。今村監督が"スケベ"なのだということはよく分かる気がしますが...。


下品になりがちな内容をサラリと笑えるような雰囲気でまとめている点は見事。変に力が入らず、エロチィックな部分もほのぼの感に溢れていました。


大人になりきれない大人たち。馬鹿馬鹿しくエロチックな恋物語。その愚かしさに笑わされ、年齢を重ねたからこそ感じ取ることができる切なさ哀しさが胸に沁みてきます。


ゆったり、まったりとしすぎて、正直、退屈に思えてしまう部分もありましたが、しっかりと噛めば、それなりに味わいが出てくる作品...といったところでしょうか?


この雰囲気、人によって、合うか合わないか、はっきりと分かれる作品なのでしょうね。私は、今ひとつでした。悪い作品ではないとは思うのですが...。


それにしても、サエコの病気...。どこに、あんなに水が溜まるのだか...?あんなに水を溜めるなら、"放出"の前には浮腫んでブクブクになるとか何かしないといけないのではないかと...。



赤い橋の下のぬるい水@映画生活