ブラザーズ・グリム
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ウィルとジェイコブのグリム兄弟は、いかさまの魔物退治で自作自演の賞金稼ぎを生業としていました。しかし、ドイツの村で、その芝居がばれて、その地を支配するフランスの将軍に逮捕されてしまいます。将軍は、グリム兄弟に、ちょうどその頃、森で少女が次々と行方不明になるという事件の調査をさせることにします。グリム兄弟は、猟師の娘、アンジェリカをガイドに森の奥に向いますが...。


主人公がグリム兄弟ということで、「赤ずきんちゃん」とか「ヘンゼルとグレーテル」だとかが登場するわけなのですが、残念ながら、ただ出てきただけな感じは否めません。登場する必然性が感じられず、ストーリーそのものに大きく絡んでくるような出方でもなく、とってつけたというような感じがしてしまいました。


ファンタジックな空想世界の映像も、今ひとつ迫力に欠けます。


全体に、中途半端な感じがしてしまいます。ダークな雰囲気も、おどろおどろしい感じも、細部へのこだわり方も、コミカルな空気も...。


現実の世界でのいかさまから、超現実世界への転換。その辺り、もっと、思い切り、現実を超えた世界に引きずり込んで欲しかった気がします。


特別、ツマラナイというほどのものでもないのですが、もっと面白くできそうな素材がいろいろと織り込まれていただけに残念でした。「赤ずきん」にしても、「ヘンゼルとグレーテル」にしても、森の豊かさと恐ろしさを巧く表現する作品なわけだし、こうしたグリム童話の数々をもっとストーリーの中で生かせれば、"グリム兄弟"を主人公として設定したことが生きてきたでしょうし、もっと細部までこだわった映像を作り込めていたら、もっと作品の世界に引き込まれたのではないかと想います。


テリー・ギリアム監督作品だということを考えずに観れば、もっと楽しめたのかもしれませんが...。



ブラザーズ・グリム@映画生活