FUCK
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乱発される"FUCK"という言葉。元来、人前でいうことがはばかられた言葉で、60年代には"Fワード"の広がりを憂え、禁止を呼びかけるプロパガンダ映画も製作されました。一方、同じ頃、ウッドストック・フェスティバルでは、大勢の若者たちが「FUCK!」と叫んでいました。"FUCK"という言葉の歴史を辿りながら、その言葉に対し、様々な立場を表明する人たちの主張が繰り広げられ...。ユーモラスに真面目に"FUCK"という言葉を様々な角度から探ります。


一つの言葉に拘り、それを様々な視点から調査し、分析し...。その手法は、なかなか面白かったです。そういう意味ではドキュメンタリーの王道。


最近の映画では、よく聞かれる言葉でもありますが、「成る程、そうだったのか!」と思わされる場面も多く、豆知識を蓄えられる作品としても興味深く観ることができました。


何かをけなす場合にも、賞賛する場合にも使われる言葉。セクシャルなイメージに真っ直ぐ結びつく言葉をこうした場面で頻繁に使うというのは、日本語的感覚からすると、ちょっと、不思議な感じもします。欧米人が日本に来ると、性的な描写が町中に反乱していることに驚くという話を聞いたことがあります。日本ほど、子どもを含めて誰もが行き来できる場所、誰もが手に取れる場所に女性のヌードや露骨な描写が溢れている国も少ないということのようですが、言葉の面では、状況が違うのでしょうか?


この欧米圏の"FUCK"に当たる言葉を文化圏毎に比較してみると面白いかもしれませんね。とりあえず、日本語では"スゴイ"とか"メッチャ"とか?...随分、無難ですが...。


他に、会話中に良く出てくる状況を言葉の意味を強調したりする場合に使われるのは、"ジーザス!"とかでしょうか?(ちょっと、違うかなぁ...。)


多分、"FUCK"という言葉から受ける感情とか、思い入れといったものが、英語を日常的に使わない私には基本的にないわけで、そういう意味では、本作を十分に楽しめたとは言い難いかもしれません。この辺り、欧米人と日欧米人では楽しめる度合いが違ってくる作品なのでしょう。


本作では、映画における"FUCK"の歴史も語られます。これから先、映画を観ていてこの言葉を聞く時、今までとは、ちょっと違った感覚で聞くことになるかもしれません。



FUCK@映画生活