人気のブログ小説 を映画化した作品です。(半)実話ということですが、どこからどこまでが実話で、どこからフィクションなのかは不明です。


1979年、栃木県にある田舎町。"ママチャリ"率いる"ぼくたち"7人は、"ママチャリ"が考える悪戯しては周囲を騒がしながら、お気楽な高校生活を送っていました。ところが、"ぼくたち"の悪戯に怯まず、正面から立ち向かう駐在さんがやってきます。その駐在さんの存在が、"ママチャリ"を熱くさせ、彼らの"戦い"が始まり...。


冒頭のシーン。当時、あんな田舎ののどかな道で、あんな新しそうな機器をしつらえてネズミ捕りやったのだろうか?という疑問は感じましたが、それでも、十分に面白かったです。


「悪戯に夢中になる」には、歳が行き過ぎている高校生たちと駐在さんの意地の張り合い。フツ~なら、避けて通りたくなるような不良高校生たち。その彼らに真正面からぶつかる駐在さんのカッコ良いこと!高校生たちも、この駐在さんのように、自分たちから逃げることなく向かい合ってくれる存在が欲しかったのでしょう。


彼らが、こんな馬鹿なことを本気でやれるもの、それをしっかりと受け止めてくれる大人が居ればこそ。そして、大人になる前の一時期、馬鹿でくだらないことに一生懸命になるというのも、とても、大切なことのような気がします。彼らの悪戯は、ある意味、駐在さんへの甘え。それを許された彼らの青春は幸せなものだったのだと思います。


高校生たちをただ押さえつけるだけではなく、彼らの心意気にもきっちりと応えてくれる駐在さんには、大人としての風格がたっぷり。ラストの展開は、ベタではありましたが、笑わせられたり、シンミリさせられたり、全体のバランスが上手く取れていましたし、すっきりと観終えることがでいました。


1979年という時期を知っている人にとっては、とても、懐かしさが感じられる作品です。喫茶店の中の様子、町や部屋のポスターなど、BGM...。1979年当時の雰囲気が映像に溢れています。30代後半から40代以上の年代の人にとっては、たまらない作品だと思います。


駐在所前に立っている柱に掲げられている標語など、小技も効いています。隅々まで楽しめました。多分、見逃したところも一杯あったと思います。「機会があれば、また、観たい」と思える作品。きっと、新たな発見ができることでしょう。


そして、笑いは今の感覚でいっぱい。当時を全く知らない人でも十分に楽しめる作品だと思います。「よいこのみなさんは真似しないで」欲しい悪戯に溢れてはいますが、本当の悪人はいないし、テンポも良く、老若男女、誰でも気軽に楽しめる作品だと思います。


高校生役たちの演技には、やや"青さ"が感じられる部分もありましたが、それも、作品のバカバカしさや青春っぽさには合っていた感じもしますし、演技力の面では、駐在さん役の佐々木蔵之介が見事な演技でバッチリと締めていました。


私としては、現段階で、「今年後悔された邦画NO.1」です。(もっとも、今年は、まだ、邦画は8本しか観ていないのですが...。)


お勧め!所謂"B級映画"ということにはなるのでしょうけれど、是非、観ておきたい一本だと思います。



公式HP

http://bokuchu.gyao.jp/



ぼくたちと駐在さんの700日戦争@映画生活