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ラッキー・ユー 特別版


ラスベガスで凄腕のプロポーカープレイヤーとして名を馳せていたハックは、歌手になる夢を追ってラスベガスにやってきたビリーに出会います。互いに惹かれあうようになる二人でしたが、素直で表裏のないビリーと相手の裏ばかりを読んできたハックは、相容れない部分も多く、すれ違いが続きます。ハックは、ポーカーの世界大会に出場することになりますが、そこで、戦わなければならないのは、かつて自分と母親を捨てた父親であり、伝説的なポーカープレーヤーであるLC.チーバーでした...。


ハックとビリーのラブロマンスが表面に出てはいますが、そこに、ハックとLC.チーバーの父と息子の物語、そして、ポーカーを巡る人々の物語が絡みます。


ラブロマンスとしては、良くある話でもあり、予定調和に収まっている感じは否めませんでした。むしろ、父と息子の物語として面白さ、そして、ポーカーを巡る駆け引きの面白さが印象に残ります。


父と息子の間にある葛藤と息子の父への恨み、そして、許し。特に、許しの場面は、なかなか捻りも効いていて心に残りました。


そして、何より、ポーカーのゲームの最中に繰り広げられる心理戦。相手のちょっとした表情の変化や仕草、視線、賭け方など、細かいところまで観察しながら、相手の心理を読み、作戦を練っていく。その綿密さと、緊迫した映像はスリリングで印象的でした。


それにしても、ギャンブルというのは、恐ろしいもの。なかなかに人を惹きつける魔力の強い世界であることも感じられましたが、こうしたギャンブラーたちが跋扈する世界。下手に素人が入り込もうとしても大火傷をするだけだということはよく分かります。



ラッキー・ユー@映画生活