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赤目四十八瀧心中未遂


ジェネオン エンタテインメント
赤目四十八瀧心中未遂 プレミアム・エディション


人生に絶望し、自分の居場所をなくして兵庫県尼崎に流れ着いた生島与一は、古いアパートの一室で、鳥を捌き、臓物を串に刺す作業を続けていました。ある日、そんな生島の前に、綾という女性が現れます。綾に癒され、励まされ、幸せを感じていた生島は、綾に誘われて、赤目四十八瀧へ死での旅に出ることになり...。

寺島しのぶの"体当たりの演技"で話題になった作品でもあります。

寺島しのぶは、もちろん、存在感がありましたし、印象的でしたけれど、全体の雰囲気としては、生島の抱える虚無感の方が郵政だったような気がします。生きることも死ぬこともできない生島の姿は、痛々しく切なかったです。そして、生島の背景にある汚いアパート、鳥の臓物、刺青を入れる痛そうな場面...。痛みと臭さと汚れと...。生島が、何故、ここに流れ着いたのか、その辺りはきちんと描かれていませんが、この生島の背景にあるものが、生島の痛みの大きさ、傷の深さを物語っているようです。


けれど、生島は、彼に人と木の幸せをもたらしてくれた綾の辛さを受けとめ、彼女の人生に寄り添うことはできませんでした。タイトルの通り、綾が人生を賭けようとした心中は果たされません。


ただ、このタイトルの付け方は間違ったかも...。このタイトルでは、二人が心中しなかったことが最初からネタバレしてしまうわけで...。何だか「心中」というにも、少々、違和感があり...。

映像は美しかったです。しっとりした感じの、けれど、妙によそよそしく乾いた雰囲気の...。赤目に行って見たくなりました。



赤目四十八瀧心中未遂@映画生活