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AMANDLA アマンドラ ! 希望の歌


アパルトヘイト下の南アフリカ。 アパルトヘイトに反対し、自由を取り戻そうとする人々が歌とともに闘う姿を描いたドキュメンタリー作品です。


南アフリカの黒人たちにとって、歌はすべてだと言います。子どもが生まれては歌い、恋をしては歌い、失恋をしては歌い、結婚しては歌い、人が死んでは歌い...。生活のあらゆる場面に歌があり、次々に歌が生まれ、歌い継がれていく、人々の人生に、生活に歌が染み込んでいます。


「アフリカの音楽」というと、太鼓を叩く激しいリズムを思い浮かべるのですが、南アフリカの音楽は、歌を主体としているのが特徴なのだとか。その歌の持つ可能性が溢れた力強い映像は迫力があります。

元々、黒人たちが住んでいた国に、白人がやってきて、黒人たちを差別し支配するようになり、やがて、国内には、黒人たちが自由に出入りしたり利用したりできない場所が増えていきます。都心部からは追い出され、不便な土地に強制的に住まわされます。そして、そこから、都心部の生活を支える安い労働者として、人が溢れんばかりに詰め込まれた列車で、毎日、都心部に運ばれていきます。


健康や命を危険にさらすようなきつくて危険な労働、劣悪な環境、安い賃金...。想像を絶するような厳しい差別の中であえぐ人々...。


その中で、彼らは、歌い、そして、目覚めていきます。南アフリカの本来の主人公は誰なのか?自分たちこそ、この国を動かす中心になるべきではないのか?


徐々に歌が広がり、その歌の広がりが、人々の意識を高め、連帯感を高め、やがて、大きな勢力になっていく様子に胸を打たれました。

やがて、アパルトヘイト政策は廃止され、政治犯は釈放されます。その後、南アフリカの大統領となったネルソン・マンデラ氏が釈放される場面も映像となっていますが、アパルトヘイト政権に対する勝利を象徴する場面にもなっていて感動的でした。マンデラ氏が拘留されていたのは、26年間!他の政治犯だった人のインタビューの中でも、留置所や刑務所での扱いの酷さについて触れられていますが、日本の刑務所などよりも、はるかに人権を無視された酷い扱いを受けていたであろうことは想像に難くありません。その中で、26年間!


その果てしなく長い年月を耐える原動力となった歌の力の大きさというものが上手く表現されていたと思います。小さな力が、徐々に大きなうねりとなり、巨大な権力を倒し、時代を変えていく様子は圧巻です。


力強い希望に満ちた作品でした。



公式HP

http://www.amandla.info/



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