サスペンスの古典と言って良いのでしょう。かなり有名な作品だし、評判の高い作品でもあります。


嵐のためモーテルに閉じ込められた10人の客とその主人の合わせて11人。一人、また一人と死んでいきます。一方、死刑を直前に控えた猟奇殺人鬼の再審理が行われています。やがて、二つの事件が繋がり、ラストが訪れるわけですが...。


題材と描き方としては、なかなか新鮮味があって、そこそこ上手くまとまっていたとは思います。


ただ、ところどころにラストを予感させるヒントは散りばめられていて(このヒントが多すぎるような...)、その数々のヒントを繋ぎ合わせていけば、ラストを予想することはそう難しくないと思います。そういう意味で、サスペンス物として、あまり驚かされる作りにはなっていないと思います。この作品の宣伝文句にもなっている「衝撃のラスト」という部分が今ひとつ期待外れだったのは、何とも惜しかったです。もう一歩で傑作に仕上がっていた可能性の高い題材だったという感じがするだけに残念です。



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