「お母さん、絶対良くなるから、気功をやりに高山へ行こう」

そう言って私は、母に気功の入門を勧めました。母は、私のことを信頼してくれていますので、そんなに拒むこともなく行くことを受け入れてくれました。

けれども、母の心配は、あまりそういったことに理解のない父が認めてくれるか、そして高山まで行って帰ってこれるだけの体力があるだろうかということでした。

私も同じ悩みを持っていました。

が、父もこんなに暗く落ち込み弱った母を今までに見たことがなく、父自身も困っていたようでした。

どちらかというと父はわがままで気分屋。そんな父に合わせ、なだめながら家の雰囲気を明るくしてきた母。その母が暗く、言葉を発しないのですから、父としては、もうどうしようもないわけです。

父も、私の提案にすぐ賛成してくれました。父も何かにすがりたかったのかもしれません。

体力面ですが、それには自信がありました。絶対大丈夫だと。

日之本元極では、本人が気功をやると決めた時点で、その人にどんどんエネルギーが入ってくるのです。不思議な話ですけれど。

ですから、母に実家から高山までの道のり、片道約3時間必ずもつよ。安心して、と告げて高山行きを決断しました。

退院して約1週間後のことでした。