「恋愛カウンセラー」これは職業なのか? | 同床異夢

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「恋愛カウンセラー」のぐっとうぃる博士なる人物が

結婚に意味などない、結婚しても幸せでもないというコラムを書いている。

そもそも、恋愛ってカウンセリングが必要なものなのか?

人間の付き合いが煩わしい物だと思われるようになってから、カウンセリングのような
職業が多岐に渡って出来ているような気がする。

これもアメリカナイズされている影響ではないかと思う。
「時代にあったニーズだ」と言われればそうかもしれないが、人と人の付き合いが盛んであった頃にそんなものはなかったという事を、少し考えてみた方がよい。

 コラムには結婚で幸せにならない理由が5つ書かれている。
これを読んでビックリ仰天。

1 結婚は就職と同じで、かなり大変な事。独身時代の何倍も働くことになる。自由もなくなる。

2 結婚すると、人間関係の問題が増える。思い通りにならないことが増えてストレスになる

3 結婚できても子供を得るとは限らない 子供を産むための結婚はする必要がない

4 結婚しても将来の不安はなくならない 夫の収入だけに頼るのはリスクが高い離婚すればたちまち経済不安に陥る

5 愛する男性とずっと一緒にいても恋愛感情はなくなる。結婚すれば別れにくくなる。


現在、結婚を考えている人や婚活で努力している人に、「頑張らなくてよいよ」
と逃避を促す記事。幸せの概念がこの人、独自の価値観である。

そして、なんの解決策も示していない。現状の不安にビンの蓋をさせて思考停止させようとしている。 また「幸せ」という概念を、個人の欲求を確立することだと勘違いしているようにも思える。

「結婚したら旦那と別れにくくなる」などとは、結婚を「東京ラブストーリー」か何かと勘違いしている。因みに恋愛という個人的な感情は、結婚していてもいくらでも発生する。結婚したから恋愛してはいけないという事などない。これは浮気をすればよいと言っているのではなく、結婚と恋愛というものは全く別ものである。

結婚というのは、いわば「戦友」と同じで世間という荒波を、共に協力して乗り越えていくために行うのだ。一人より二人いれば、悲しみは半分、嬉しさは倍になる、家族が3人いれば悲しみは三分の一、嬉しさは3倍になる。

「恋愛」という感情は好き嫌いが大部分を占めるから、結婚後に好き嫌いの感情が発生しても何も不思議ではない。それと、妻や夫や家族を同列に考えるからおかしな事になるのだ。

例えば、新入社員の頃に、上司の男性が既婚者だけど包容力があったり、気遣ってくれたりすれば、その上司の男性に恋心を持ったりする事もあるだろう。学生の頃までの男性が草食系で自分勝手な同級生ならなおさらである。

私は不倫を助長しているのではなく、人間の感情とはそういうものであって、その感情までを否定すべきでないと言っているのだ。この場合であれば、もし新入社員の女性の感情が押せえきれなくなって告白されても、上司の男性がその恋心を上手にかわして諦めさせるのが大人の対応である。
そのような理性や道徳も必要である。

そして、この人は「独身であれば人間関係の煩わしさがない」と言っているが、これもとても利己的な考えである。会社で働いている人ならよくわかると思うが、そのように思っている人や、そのような行動をとる人が、最も煩わしい。なぜなら、協調性がないからである。

人間関係など本来、煩わしいのが当たり前なのだ、その中で我々は生きている。
その煩わしさの中にいろんなドラマが生まれ、人々を怒らせたり、心配させたり、感動させたり、笑わせたりするのである。
煩わしいけど、面白いのはサラリーマン川柳をみるとよく表れている。

すぐキレる 妻よ見習え LED

未婚の女性が結婚すれば自由がなくなると思っているかもしれないけど
この川柳が多くの人から支持されているということは、多くの夫が尻にひかれているのだ。そして、妻に対して憎しみを持っているのではなく、笑ってしまうところに夫婦の愛嬌を感じることが出来る。 そういう人間関係のよさというのは、お金や唯物だけでは計り知れないもので、それが理解出来れば、結婚という価値観も変わってくるだろう。

煩わしいけど、楽しいのである。
何もしなければ、合理的で楽かもしれないけど、楽しさや嬉しさという喜びも感じられない。もっとも、部屋でゲームをしている方が、それよりは喜びが大きいという人は論外だけど、そのゲームだって人々が作っているのだ。

忘れてならないのは、大抵の人は、自分も父親と母親から生まれてきて家族という環境で育ってきて現在に至っていることである。急に宇宙から降ってわいてきたわけではない。
その事を今一度思い出してほしい。

そして、適齢期を過ぎてもう子供は無理だという人にも、結婚をお奨めしたい。
この記事には、気の合う友達の方がよいなどと言っているが、その友達だっていなくなることもある。夫婦になれば友達と一緒いる時間よりは遙かに長い時間を共有するので、何か不安な時もとりあえず一緒にいるので半減される事が多い。

その分、煩わしい事もあるかもしれないが、例えば大震災のような事態になっても、友達とくらべて安心なのは一目瞭然である。
友達同士でも可能かもしれないが、夫婦関係に比べると比較にならない。
お互い生活を共にしているから、酸いも甘いもよく分かっているからである。

そして、どちらかが先に亡くなったとしても、その記憶は残るし、それをバネに生きていける。また、交友関係も自分以外に、妻や夫にまで広がっている事が多い。
だから夫に不幸があったとしても、夫の友人が手をさしのべてくれたという話は沢山ある。

不安というものは生きている限りなくならない。
リスクをヘッジするのは幻想である。
その考え方をまず改める必要があるだろう。

※mixiの日記に書いた物に加筆・修正してアップしました