1.BT-7のギヤボックス | ひのきの模型工房 ブログバージョン

1.BT-7のギヤボックス

お待たせしました!!(←誰も待ってないし)



3D CADと3Dプリンターを使った可動改造の第2弾は、


ソビエトの「BT-7」戦車です!!


え?

なんで、「BT-42」じゃ無いんだ? って?


だつて、「BT-47」のキット手に入らないし....まだ映画も見て無いしw



さて、

世間のうわさは無視してw


BT-7の最大の特徴と言えば、あれですよ!!


そう、

履帯無くても、タイヤで走行するんです!!


キットはタミヤの1/35を使いますが、キットを素組みしてもそのあたりの構造は想像がつきます...

後ろの起動輪とその前の転輪が連動していて、転輪も一緒に回転するようです。

で、

先頭の転輪が、自動車の前輪のようにステアリングするようですね。


これを1/35のプラモデルで再現してみようと言うわけです。



第一回は、そのギヤボックス!!



まずは、3DCADで設計中の画像です。




最大の特徴は、起動輪と隣の転輪が同時に回転します。

転輪に動力を伝達してるのが、上の画面の右下のアームで、アームの中に小さなギヤが入っていて、それで転輪を回転させています。

実車はチェーンで伝達してるようですが、さすがにこのサイズのチェーンは無理なので、小さなギヤで繋いでます。


ちなみに、ギヤボックスだけじゃなくて、転輪のパーツと起動輪の内側のパーツも設計してます。

これには理由があって、


まず、転輪ですが、

この転輪がタイヤ走行の時の駆動輪になるわけですが、キットのプラ素材のままでは、どうしてもスリップして上手く走らないのです。


なので、転輪の中のホイールと外側にまきついてるゴム部分を別パーツで設計し、さらに外側のパーツは本物同様ゴム素材で造形するためです。



で、

起動輪の内側パーツだけ作ったかと言うと、

キットの起動輪をギヤボックスに取り付けるには、加工がとてもし辛かったからなんです。

まぁ、その事を記事に書き始めると、それだけで記事が終わってしまいそうなので、省略しますがww


ちなみに、BT7の起動輪は、35年式(前期?)と37年式(後期?)で違うんですが、ちゃんと2種類設計しますたww

ちなみに、BT-47は、キットを持ってないので、どんな起動輪なのかは知りませんから.....


で、

例によってDMMに3Dデータを送って、鋳造したギヤボックスのパーツがこれ


3Dプリンターで鋳造した「BT-7」ギヤボックス(アクリル素材)の組み立て方♪


1.サポート材を取り除きましょう~


白くてわかりづらいですが、場所によっては、サポート材が白く付着してます。



回転軸とか軸受けとか、ギヤの歯の中とかについてるサポート材はきれいにとります。

400番以上の紙やすりでそっとなぞってもいいですが、アクリル本体を削らないようにww


ギヤの裏面とかは多少磨いたほうがいいかも...





左が元で、右が400番以上のサンドペーパーで磨いたもの。

元の面には造形時に出来た線(波?)があるので、それが目立たなくなるまで削ってます。


ただし、削り過ぎないようにww


まぁ、付いてるサポート材をすべて取る必要も無く、可動するのに擦れて邪魔なところだけでいいのです。




2.メインギヤの取り付け


まずは、モーターから駆動輪までの減速ギヤ4枚を取り付けます。



ギヤの軸には、直径1mmの真鍮線を使ってます。

最初に差し込んで適当な長さでペンチでカットし、一旦引き抜きギヤを入れていきます。





3.ギヤ付き転輪アームの作成


写真では大きそうですが、実物は小さいですww



ギヤの厚みは1mm

サスアームの厚みは3mmという小ささです(笑)

この小さなギヤの軸の穴の中のサポート材はしっかり取っておかないと回転が渋くなります。







誘導輪を取り付ける軸を持ってくるくる回転させると、抵抗無くぶらぶらと回転するはずです。

少しでも渋いようなら、ギヤの軸の中のサボート材を取り直しましょうw


スムーズに回転するのを確認したら、瞬間接着剤を針の先につけて、アームの蓋の隙間に入れながら接着します。



4.起動輪軸のギヤと転輪アームの取り付け

これで、パーツは 下の写真の5個になりました。



上の写真の、左から2番目のギヤ付き軸と、左から4番目の起動輪取り付けパーツは、アームのパーツを挟んで瞬間接着剤で接着します。


この接着が要注意で、ちゃんと奥まで差し込んだ状態で接着されないと、回転が渋くなってしまいます。

なので、あまり瞬間接着剤を付けすぎないようにww




あとは、

ギヤ付きアームを差し込んで、蓋を接着するだけ!!








5.モーターの取り付け


モーターは円形の7mmパイか、6mmパイのモーターを使います。

(6mmパイのモーター用に、サイズを狭めるアダプター付きですw)

ちなみに、今回は6mmパイのモーターを使ってみました。





モーターにピニオンギヤを差し込みます。

モーターの軸が8mm用に、ちゃんと手で圧入出来る軸サイズのギヤになってます!!


あ、

そうそう、写真ので使ったピニオンギヤは設計ミスで長すぎて、0.5mmほど削りました><





この状態で、モーターを回して確認します!!


スムーズに2箇所の軸が回転すればおっけ!!




6.サスペンションパネのピアノ線の取り付け


転輪アームはそれ自体がサスペンションにもなっていて、起動輪の軸を中心に上下に動きます!!


そのバネ用に0.4mmのピアノ線を取り付けます。



最初に先端を若干折り曲げたピアノ線を下から通して、ぐるっとまげて、カットして、上に差し込むと....


まぁ、ギヤボックスノ制作でココが一番難しいかもww




これで、BT-7のギヤボックスノ完成です♪




転輪と駆動輪の取り付けは、キットのシャシーに組み込んでからですが、

とりあえず、差し込んでまわしてみましたw



起動輪の外側パーツはキットのパーツがそのまま使えます。


誘導輪には外側に別パーツで作ったゴムパーツを取り付けます。


実は、ゴムパーツはテスト車両に使い切って、現在DMMの完成待ちww



ちなみに、完成するとこうなります。



ゴムパーツと言っても、半透明なゴム素材なので、微妙ですが.....

ちゃんと塗装できるかなぁww


ちなみに、上の写真の起動輪はBT-7の前期型です。



そんなわけで、初回はBT-7用のギヤボックスを.....



あ、


肝心な自慢話を書くのを忘れてた!!


じつは、誘導輪と起動輪を同時に回転させたときに、大きな問題があったのです。


それは、誘導輪と起動輪のサイズ(直径)の違い!!


起動輪より誘導輪のほうが大きいんですよ.....

なので、そのまま同じように回転させてしまっては、走行距離が違うんです.....


そう、履帯で走行中には、起動輪だけじゃなくて誘導輪も履帯に引っ付いてますし、しかもゴムなんかにしたのでずれるんですw

ずれると言うか、転輪が履帯の上をスリップしながら回転すると言うか.....

これが、この差が結構な抵抗になるんです


実際には、サイズの差で、起動輪の1.27倍 誘導輪の方が早く進む計算になるので、そこは誘導輪に伝えるギヤのギヤ比で調整してるのです!!

もちろん、起動輪の軸から誘導輪の軸までの距離も決まってますから、その距離とあわせて、ギヤ比も調整してギヤを作っているわけです!!


これこそ、自分でギヤも設計出来たからこそなせたのです!!


すごいでしょおおお!!


てか、

こんなマニアックな記事をココまで丁寧に読む人いるのか....