元禄時代に、幕府隠密が戦国末期から元禄期までの諸大名を探索し、

儒教の立場から幕府高官が評価したものに、

土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)というのがあります。


聞き慣れない土芥寇讎とは「孟子」からの出典で、

「君の臣をみること土芥のごとければ、すなわち、臣の君をみること寇讎のごとし」

と、いう意味だそうです。


歴史学者の磯田道史氏が東京大学史料編纂所に足を運び、土芥寇讎記を紐解き、

他の史料をも参考にして書かれたのが、殿様の通信簿です。


武士の家計簿では、加賀藩の下級藩士の生活ぶりを描いていましたが、

殿様の方も興味深い内容になっています。

殿様の通信簿 (新潮文庫)/磯田 道史
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因みに、岡山藩主池田光政公は武芸や学問を尊ぶ名君だったが、
後楽園を築庭した二代目の綱政公は源氏物語をこよなく愛し、
自身も光源氏になりきって女色を謳歌する。
70人もお子がいたそうな・・・!

諸大名も然りで、平和な時代になると緊張感も無くなり、公家風趣味に変って行きます。
幕府に反旗を翻す訳ではないので、こんな殿様は好都合なのでしょうね。

徳川光圀や赤穂藩主浅野内匠頭の評価も、なかなか面白いですよ。