小鼻(鼻翼)縮小術で大切なこと〜その適応と術後ケア(鼻孔レティナ)〜
鼻の手術、特に小鼻(鼻翼)縮小の手術は、
手術適応の見極めがとても大事です。
まず自宅でもできる小鼻縮小のシミュレーションや、
手術法とその後の合併症について下記にまとめておきます。
小鼻縮小は意外にトラブルが多く、
その手術適応をあやまると上記のような合併症が起こりえます。
まずは手術する前に、
本当に小鼻縮小が必要なのか検討しましょう。
小鼻縮小はその術後もとても大切です。
というのも、人間は表情をつくります。
それは手術した部位が動くということを意味します。
つまり手術した部位(傷)が、動きによってどうにでも変化するということです。
これは傷の可塑性(かそせい)といいます。
お餅は柔らかい時は伸び縮みしますが、硬くなると伸び縮みしません。
傷にもお餅同様に可塑性があるわけです。
例えば・・・
鼻の手術で小鼻を縮小した場合に、
笑ったり、口を「イー」と動かせば、
小鼻や小鼻の傷は縮小した方向とは真逆の方向に動きます。
そうすれば、可塑性によって、せっかく形成した鼻の形が損なわれます。
では、私はどうしているかを症例を供覧して説明します。
今回の症例は他施設で小鼻縮小を行い、
その後に傷が目立ってしまった患者様の“やり直し手術”です。
*小鼻縮小のやりなおし手術は、組織が切り取られているのでとても難しいです。
患者様の話を聞いていると、
小鼻縮小手術のあとは特に何も行わなかったということでした。
私はこのような手術や当院で行う小鼻縮小など初回手術の後は、
両ほうれい線をまたぐように、「ウー」という状態でテープで固定します。
四六時中約3〜6ヶ月行います。
また上の写真のような鼻孔レティナを使う場合もあります。
特に他院で行われた小鼻縮小の修正の際に使用しています。
術前や術後に向かって左のレティナモデルを使い、
患者様の鼻の形にあったものを選択します。
もともと赤ちゃんの口唇裂の術後ケアに使用されていたものです。
そしてモデルが決まるとその号数のレティナ発注します。
向かって右が実際に使用するレティナです。
これを・・・
写真のように鼻の中に入れて形を固定します。
時には鼻尖縮小などの術後に使用することもあります。
また・・・
先に述べたように口の動きによって形態も変化するために、
写真のようなテープで固定を行います。
もちろん患者様によってはレティナの装着や、
テープを貼り付けることを拒否される方もいらっしゃいますので、
無理強いはしませんが、
やはり数ヶ月かけて傷や鼻の形態が変化していくことを理解してもらい、
納得した上で行わない場合もあります。
私の考えは“やるべきであるという立場”ですが・・・
いかかでしたか?
美容外科で施術を受けるにあたり、
決して手術そのものが全てではありません。
術前のプランニングも大事ですし、
術後に様々なかたちでfollowすることも
実はとっても大切なことなんです。
丸山成一
※before &afterの画像についてのご注意
写真はあくまで参考画像であり、症例により効果や満足度は異なりますのでご了承下さい。
※リスク・副作用・合併症
内出血、腫脹、左右差、鼻翼(小鼻)が硬くなる、形態異常、鼻孔の変形、人中が長くなることがある、笑った時の口の開きが不自然、傷の哆開(しかい;傷が開く)、
糸が出てくる(埋没縫合した糸がでてくることがある)、縫合糸膿瘍、
テープ(傷の安静をはかるためのテープ固定)かぶれ、傷の肥厚・陥凹、
瘢痕形成(傷跡が残る可能性があります)、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。