私が新聞記者になって数年後、
高校の同窓会で言われた言葉が
「北海道新聞は『はいはい道新』がおもしろいよね」
かなりショックでした。
「はいはい道新」は、読者の声を届ける欄です。
記者が書いている訳ではありません。
でも、この言葉がとても大切だと感じました。
新聞の記事面はほとんど記者が書いています。
つまり「記者⇒読者」への一方通行。
読者の反響や反論できる紙面は少なく、
「はいはい道新」と、投書を扱う「読者の声」くらい。
読者の反響や反論ができる紙面は
少しずつ小さくなっているのも残念です。
拡大したのは「識者の意見」や「記者の意見」。
これは北海道新聞だけでなく、
全国紙も似たような傾向です。
読者が減っている今だからこそ、
読者の意見、反響、反論を紙面化して
ユニークな紙面作りに懸けてみるのも挑戦ではないかと思います。
読者が減るのは仕方ないとあきらめず、
何か画期的なことをする好機だととらえて。
「読者の3行記事」を提案します。
横組みで1行20字以内に制限して。
20字×3行まで書けるようにする。
例えばこんな記事
さっぽろ雪まつりの「魚氷が復活」の記事
事務局へ寄せられた賛否の意見総数がない
具体的数字も欲しかった 50代・男性
たまたま、手元の新聞を基にして
架空の読者の3行記事を書きましたが、
記事になっていない話でも良いのです。
〇区で〇〇の現象がが増えていると聞いた
北海道新聞が取材してくれるとありがたい
他の区では増えてないの? 40代・女性
こんなのが1ページにわんさかあるだけで、
今の時代を表していると思うのですが、
いかがでしょうか?
新聞記者を辞めてメディアコンサルタントとして、
企業や個人の対マスコミの話を聞くと必ず、
敷居が高いだとか、話を聞いてくれない感じ、
などという否定的な意見を聞きます。
1ページ、毎日でなくても構いません。
週に1回でもそういう日があれば興味深い。
もちろん、そうした声を誰がどう選ぶかは
大変なことで、客観的には行えないと分かっていますが。
元新聞記者、テレビ局デスク
メディアコンサルタント・荒川岳志
著書です。
- 新聞に必ず取材されて記事になるたった一つの方法/太陽出版
- ¥1,620 Amazon.co.jp