その男 ヴァン・ダム | h

h

h



今年三回目の映画館。「その男ヴァン・ダム」 を鑑賞。
ヴァン・ダムがヴァン・ダムを演じるという作品。
劇中のヴァン・ダムはスターというより元スター。現実と被る。
かつて肉体派アクション・スターとして鳴らし
今でも有名人ではあるけれど
最近ではヒット作に恵まれず栄光は過去のもの。
妻と離婚、娘の親権は妻に奪われる。
弁護士費用として切った小切手は不渡り。
金のため、乗り気でなかった映画への出演を思い切るも
その役は既に別の役者に決まってしまっており出演ならず。
で、その役者ってのがスティーブン・セガール。巧みにツボ。

そんなドン底状態のヴァン・ダムを、さらなる悲劇が襲う。
傷心で母国に戻ってきたヴァン・ダム。
不渡りになった小切手の代わりに弁護士に振込みをしようと
街角の郵便局に駆け込むのだが
最悪な事に、その局は強盗に占拠されていた。
客や局員と共に人質にとられてしまうヴァン・ダム。
最初の発砲で事件が発覚するが
その時に警官が見たのはヴァン・ダムの顔。
警察もマスコミもヴァン・ダムが犯人であると勘違い。
更に悪い事には、それに気がついた犯人たちは
対外的にヴァン・ダムを犯人とする事を思い立ち
警察とのやりとりで彼に犯人を演じさせる。

あのジャン=クロード・ヴァン・ダムが郵便局強盗!
警察とマスコミに囲まれた郵便局に野次馬が集結。
かつてのような栄光はないにしても地元では英雄の彼。
今は郵便局強盗という立場にさせられてしまっているというのに
野次馬達は彼に大声援。「ジャン=クロード!ジャン=クロード!」
また、本物の犯人グループの中にも彼の大ファンが一人いて・・・。

劇中のヴァン・ダムは、スターでなくスーパーヒーローでもなく
俳優を職業としている一人の人間としてのヴァン・ダム。
問題抱えてる。苦労してる。かっこいいとは言えない面がある。
そんなヴァン・ダムを演じる事を決めたヴァン・ダムすげえ。
もっと言うと、それ持ちかけた製作者すげえ。
この映画、商業的には成功してないと思うんだけど
見た人の多くは、彼に対する印象を良くするはず。
あれれ?アタシったらどうしちゃったのかしら。
今まで彼のこと、なんとも思ってなかったのに・・・キュン
てのは大げさだが、物凄くヴァン・ダムを好きになった。
本物の彼がどういう人かは知らんけど。

20代そこそこのアジア人監督に無茶ぶりされて頑張るヴァン・ダム。
失礼すぎる女性にも「Oui madame, Oui madame」のヴァン・ダム。
すっごいイイヤツじゃん!ヴァン・ダム!
あの年であの肉体、あの動き、改めて感心するし
冒頭の撮影シーンは地味ながらアクションの実力発揮だし
中盤の長ーい一人語りではアクションだけじゃない所を見せた。
結構やるじゃん!ヴァン・ダム!
ラストの場面はちょっと納得いかんかったけど
ヴァン・ダムがあそこまでってのを見せたかったんだろう。
そんな自分を演じるなんてエライじゃん!ヴァン・ダム!

映像については、その色合いが印象的だった。
全編通じて、回想シーンにでも使われそうな、くすんだ色合い。
途中で何度かメガネずらして確認したもん。
これサングラスじゃないよな?って。
ハリウッド映画ではまず引っ張らない色でずっと。
本作の雰囲気にマッチしてたと思う。

冷やかし気分で見にいったけど、かなりの収穫だったなー。
ジャン=クロード・ヴァン・ダムの映画?戦ってるだけでしょ?
そんな風に思ってる人にこそ見て欲しい作品だ。


その男 ヴァン・ダム スペシャル・エディション [DVD]
送料・代引手数料が無料!ジャン=クロード・ヴァン・ダム DVDコレクション
映画グッズスタンプ『ジャン=クロード・ヴァン・ダム』