オペラ座の怪人 | h

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今年、劇場で見た61本目の作品は「オペラ座の怪人」。
ずっと見たかった。やっと見られた。

たぶん何度も映画化されてるはずだけど
見るのはこれが初めて。
・・・いや、前に別のを見た事があるかも?
なんか頭ん中にイメージがある。
テレビで放送されたものか何か見たのだろうか。
あるいは小説 を読んだ時に自分で作り上げたイメージかも。
分からないけど、どちらにしろ映画館で見るのは初めてだ。
映画館のスクリーンで見るのが初めて。
映画館の音響で音を聞くのも初めて。
このオペラ座の怪人は初めて。

見始めて、最初にあの曲のイントロが鳴り響いた時は
全身にぞわーっと鳥肌がたった。
曲が終わるまで鳥肌たちっぱなし。
映画の冒頭はモノクロ。
既に閉鎖されたオペラ座のシーンから始まる。
そして、あの曲が流れると
オペラ座はあの時の姿を取り戻し鮮やかに色づく。
心が色めきだつ。大興奮。

ああ!いい!いい!!いいっ!!!
やっぱり音楽と歌に弱い自分。すぐにやられる。
あっという間にテンションあがり
クリスティーヌが初めて歌ったシーンでは
もう感極まっちゃってた。目がウルウルしちゃって。

音って凄い。歌って凄い。
耳から入ってきたと思ったら
真っ直ぐ心にタッチする。文字通り心に響く。
ゾクゾクする。感動というのとはちょっと違う感覚。
エクスタシーに近いかも。出てる。脳内麻薬。

曲によっては聞いてる間に放心状態っぽくなってしまって
意識が聴覚に集中してしまうのか
字幕を読むことが出来なかったりもした。
あ、でも不思議な事に映像はしっかり見られたわ。
音と歌で心を揺さぶられながらも
ファントムの人、仮面が唇のすぐ上まであるから
ちょっと歌いにくそうだな~とか思ってた。

映画を見るまでの自分のファントムに対するイメージは
激しい情動を抱えながらも、その噴出は静かで
冷たく狂ってる人というものだったのだけど
本作のファントムは熱く狂ってた。これがホントの"熱狂"か。
熱狂的ファンの元祖?凶行に及ぶストーカーの元祖?
ファントムの執念深さは空恐ろしいのだが
彼の、胸が張り裂けんばかりの苦しみ、怒り、痛み、悲しみ。
強く強く伝わってきた。

他のキャラクタにおいても自分のイメージと違う部分が色々。
ファントムはまあいいとして
クリスティーヌとラウルはかなり・・・悪い方に。
言ってる事がチグハグだったり
そりゃナイでしょっていう発言したり。
ちがう。クリスティーヌはそんなんじゃない。
ちがう。ラウルははそんなんじゃない。
戸田さんのせいだ。たぶん、戸田奈津子さんのせいだ。
彼女が彼女なりの解釈で彼女流に意訳したから
ああなってしまったのだと思う。
字幕を見ながら、一応、英語も聞いてるのだが
え?そんな言い方してなくないか?と感じる事がしばしば。
戸田さんが嫌いになった。

ドラマ部分は大衆受けを狙ったためか
安っぽくなっちゃってる感が否めなかったし
映像面では雰囲気に合わない作り物っぽさが気になった。
(はまってれば作り物っぽくてもいいと思うが。)
もうちょっと丁寧に作ってもらえたら、もっと良かったのにな。
雪が思いっきり偽物で、顔に乗っかりっぱなし。
それならそれで演じきればいいのに
一瞬、画面が切り替わると顔の雪が消えててワザとらしい。
別の場面では、歌ってる間に服の肩部分がずり落ちて
それを片手で直してるのが一瞬映っちゃってる。
服を直すより撮影をやり直した方がいい。
それ以前に、ずれないようにシッカリ留めとけ。
服の肩はその後またずり落ちちゃって、あとはそのまま。
ファントムの顔は、いざ仮面とったら
仮面で隠れない範囲までヤラレてる。
でも、まあ、いいや。
むしろ細かいとこ気にした自分がゴメンナサイだ。
音楽と歌が良かったんだからから
(歌詞の訳は別にして)それでいいんだ。






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「オペラ座の怪人」 オリジナル・サウンドトラック