村上春樹「ラオスにはいったい何があるというんですか?」 | 土方美雄の日々これ・・・

村上春樹「ラオスにはいったい何があるというんですか?」

村上春樹の小説は、ほとんど、読まない。というか、最近は、ホラーだの、ミステリーだの、SFなどの、一部のジャンル以外に、小説自体を、ほとんど、読まないのだ。

しっかし、村上の最新刊「ラオスにはいったい何があるというんですか?」(文藝春秋、1650円+税)を買って、すぐ読んだのは、それが紀行文集であったから。こと紀行文に関しては、私もその手の本を出しているので、たとえ、相手が、村上であれ、まったく無名の誰であれ、関心を持たずにはいられないのだ。

さて、同書は村上が20年くらいの間に、書きためてきた紀行文を、ほぼ、発表順に並べたもので、ボストンだとか、アイスランドだとか、ミコノス島だとか、フィンランドだとか、ニューヨークだとか、トスカナだとか、私が行ったこともなければ、多分、これからも、行くこともないだろう、場所ばかりである。唯一、私も行ったことがあるのは、ラオスのルアンプラバン(ルアンパバーン)で、それが本のタイトルにもなっている。

六本木の青山ブックセンターで、入り口に近い場所に、山のようにうず高く、平積みされていたので、仮に同書が違うタイトルであったとしても、気づいたと思うが、このタイトルだったからこそ、すぐに手に取って、目次とあとがきを読み、即決で、買った。2日で読了し、内容的にも、面白かった。

でも、引き続き、村上さんの小説を読むということは、多分、ないでしょう。村上さんが次に紀行文をまとめることがあったら、きっと、また、読むだろうけれども、果たして、その時、私は生きているか、どうか・・。

ラオスには、2度行ったが、次に行くとしたら、東南アジアでは、ラオスではなく、一時は、ほぼ毎年行っていたカンボジアか、未だ、1度も行っていないビルマだろう。