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2016-05-25 18:13:33

白根全さんの本

テーマ:ブログ

来月の「ラテンアメリカ探訪」で話して下さる白根全さんの本を、アマゾンで探して、発注。その内の1冊「カーニバルの誘惑 ラテンアメリカ祝祭紀行」(毎日新聞社、2500円+税)が、今日、届いた。

ブラジル・リオのカーニバルを中心に、トリニード・トバゴやコロンビア、ボリビア、メキシコ、キューバなどのカーニバルを、迫力満点のカラー写真と文章で紹介した本。

さらに、福音館から出ている小学3・4年生むけの科学雑誌「月刊たくさんのふしぎ」の中の1冊で、白根さんが執筆された「マチュピチュをまもる」も、古書で購入。もっとも、私が購入した際は、出品されていたのは、いずれも2000円台だったが、今日、このブログを書く前にアマゾンを見たら、な、何と、1000円台で出品されていて、少しというか、激しくというか、超激しく、ガッカリ。何で、1日違いで、値段が半額近くになるのか、信じられん(怒)。

とはいうものの、もう2000円台で購入した本は、多分、明日くらいに、到着予定(涙)。6月の白根さんのお話は「ふしぎのマチュピチュ」なので、せいぜい、熟読し、活用させていただきま~す。

ということで、今日は押井守の「ガルム・ウォーズ」を観に行ったけれども、ちょっと、バタバタ中なので、感想等は、また改めて。

あっ、それから、「ズートピア」と「もし世界から猫が消えたら(だったっけ???)」も、最近、観ましたが、共に、あんまし、積極的に、感想を書く気にもならないので・・。




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2016-05-24 09:46:17

阿部修二さん「メキシコ植民地散歩 十字架にまつわる話」

テーマ:ブログ

昨日の「ラテンアメリカ探訪」は、写真家の阿部修二さんによる「メキシコ植民地散歩 十字架にまつわる話」と題したお話。参加者は11人と、決して多くはなかったが、豊富な映像による、メキシコの各地の不思議なテキキの十字架のお話は、大変、面白く、時間が足りないと感じるほど。

終了後は、その阿部さんを囲んでの懇親会も開かれ、最近は、体調不良のため、帰ることが多い私も、久しぶりに、参加した。

阿部さんは、お渡ししようとした、交通費まで辞退され、本当に「ただ働き」をさせてしまい、申し訳ありませんでした。どうぞ、これに懲りずに、今後も機会があれば、おつきあい下さいませ。

さて、次回は、既報の通り、写真家にして、冒険家、カーニバル評論家でもある白根全さんが、「ふしぎのマチュピチュ」と題し、お話して下さる予定。マチュピチュやアンデス文明、ペルーにご興味のおありの方々、6月20日、どうぞ、ご参集下さい。お待ちしております。

詳しくは、別途、「6月のラテンアメリカ探訪」の項を・・。




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2016-05-22 10:16:51

くくるくくぱろま(6)

テーマ:小説

ふり返って、後ろを見ては、絶対に、いけない。そう、本能的にそう感じて、私はただ、ひたすら、エレベーターのボタンを、狂ったように、押し続けた。

しかし、エレベーターは止まっている階から、降りてくる気配はまったく、ない。

開いたドアが、ドーンという大きな音を立てて閉まり、ズルズルと、何かがこちらに向かって、近づいてくる気配がする。足を引きずっているのか、あるいは、何かを引きずっているのか・・。

私は、エレベーターのボタンを、ひたすら、押し続けた。その時、ガタンと、大きな音がして、エレベーターが、いきなり動き出し、止まっていた1階から、ゆっくり、地下へと降りてくる。

た、助かった。でも、足を引きずるような、何かを引きずるような、背後の音は、もうすぐ、そこまで、迫っていた。

「早く、早く」と、私は大声を出して、絶叫する。

再び、ガタンと大きな音を立てて、エレベーターが止まり、ドアが開く。私はその中に飛び込んで、しかし、ドアを閉めるためには、ふり返る必要がある。イヤだ。でも、ふり返って、ドアを閉めねば・・。

私は、意を決して、ふり返って、ドアのボタンを押した。そして、閉まるドア越しに、私は見たのだ。

閉まるドアの向こうにいたのは、あれは、スッカリ、血の気を失い、目を大きく見開いた、義男の・・。

そこで、目が覚めた。私は、再び、病室の、自分のベッドに寝て、見上げた天井に、何か、黒々としたものがへばりついていた。そして、それがいきなり、私の上に覆い被さってきて・・。

そして、目が覚めた。ベッドの上。多分、夜。すべては、夢?

いや、そうではない。閉まったカーテン越しに、ゼイゼイという誰かの寝息。出し抜けに、隣のベッドの明かりがつき、黒々とした男のシルエットが、ゆっくりと、上半身を起こし、そして、カーテンに手を・・。

「柚木さん、柚木さん」

看護師の、緊迫した声がした。私が目を開けると、見慣れた看護師の吉岡さんの顔が、そこにあった。

「柚木さんが、急に大声を出して、何かを叫んでいると、部屋の人からナースコールがあったので」と、吉岡さんが、いう。

室内が明るい。今は、明らかに、夜ではない。

「な、何時?」と、私は、声を絞り出すようにして、聞く。

「もうすぐ、お昼ですよ。いやだぁ、寝ぼけたんですかぁ?」と、吉岡さんは、ようやく、表情をゆるめて、笑顔になった。

「ど、どうも、そうのようです。すいません」

だが、私にはわかっていた。あれは、夢なんかではないと・・。

私は、私の左手に、クッキリ、赤い指の跡がついているのを、見てしまったのだった。それは見る見る内に、薄れて、消えてしまったが、私は気を失う直前に、左手首をあれに、強く、握られたのを、覚えていた。

ハッキリ、いってしまおう。あれではなく、あれは間違いなく義男の、血の通っていない、冷たい手だったのだ。

私は、思い出した。そう、あの日のことを。

(続く)





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2016-05-21 09:10:03

くくるくくぱろま(5)

テーマ:小説

今日の回診で、本山先生と小日向先生から、ここまま順調なら、あと1週間で抜糸可能なので、それが終わったら退院していいでしょう・・と、伝えられた。

まぁ~だ、開腹手術の跡は、ガーゼとビニール・テープで、シッカリ、固定されていて、寝ている状態から、身体を起こした時など、相当、痛むし、時々、血の混じった体液も出て、ガーゼを赤茶色に染めるが、それはすべて想定内で、回復状態は極めて良好だと、先生方はいう。

今日から普通食といわれ、すでに、朝食として、トーストした食パン1枚にイチゴジャム、野菜と玉子の炒め物に、バナナ半分、パック入りの牛乳が出た。そのすべてを平らげ、食後にコーヒーでも飲もうかと、財布だけ持って、エレベーターに乗って、地下の売店前にある、コーヒーの自販機に向かう。

地下には、売店の他、CTスキャンの部屋があり、暗い廊下がさらに奧へ、続いている。多分、その先には、霊安室があるのだと、私は考えている。いずれも別の病院でのことだが、以前、父や母が死んだ時、遺体は地下の霊安室に移され、そこで警察官による検死が行われ、その後、葬儀社の車が到着するのを待つことになった。きっと、それはどこの病院でも、同じだろう。

だから、おそらく、この先には、霊安室がある。入院して、無事、退院出来なかった者は、そこから、葬儀社の車に乗せられ、なるべく、入院者や通院者の目につかぬよう、ひっそりと、退出することになるのである。

売店で、朝刊を買ったあと、自販機にお金を入れ、モカのホット、ブラックを選択し、ボタンを押した。

コーヒーが自動抽出され、出て来るまでに、少し、時間がかかるので、ソファーに座って、待つ。エレベーターのドアが開き、白衣の看護師が、こちらを、横目でチラッと見て、しかし、歩みを止めることもなく、足早に、廊下を歩み去っていった。

自販機の取り出し口が開き、コーヒーのよい香りが、漂って来た。病室に持ち帰るより、ここで飲んでしまおうと、紙のカップを片手に、ソファーに戻って、腰を下ろした。

そこから、長い廊下の奥のドアが、よく見える。そのドアが突然、開いて・・そこで、目が覚めた。

一瞬、今がいつなのか、よくわからず、混乱する。病室内は暗く、多分、夜だ。カーテン越しに、隣のベッドから、ゼイゼイいう、荒い寝息が・・。

お、おかしい・・隣にはまだ、誰も、新しい患者が入っていないハズ。しかも、私の記憶では、今はまだ午前中で、私はコーヒーを飲みに、エレベーターに乗って、地下に向かったのではなかったか。

そして、奧の廊下のドアが、いきなり、開いて・・それからあとの、記憶がない。それとも、それはすべて、夢だったのか?でも、カーテン越しに聞こえる、あのゼイゼイという寝息。

思い切って、隣のカーテンを、少し、開いてみる。もちろん、そこには誰もおらず、シーツが剥がされた、剥き出しのベッドがそこにあるだけだった。

私は何が何だかわからず、起きて、病室を出た。

そこに、奧へと続く、暗く、長い廊下があった。そこは、地下だ。思わず、部屋に戻ろうとして、エレベーターの閉まったドアに、激突してしまった。売店も、シャッターを下ろし、CT室にも明かりはない。

何だ、何なんだ。

とにかく、エレベーターのボタンを押すが、エレベーターは上の階で、止まったままで、地下へ降りてくる気配がない。

私は、パニックになりかけていた。

その時、背後の廊下の奧で、ドアが開く音がした。

(続く)








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2016-05-21 01:31:47

「未来を創る作家たち展」

テーマ:アート

昨日は、銀座のギャラリーあづまで、今週末まで開催されている、多摩美大の丸山ゼミの卒業生によるグループ展「未来を創る作家たち展」へ。

同展は、多摩美大卒業後、美術教師と作家の、いわば二足の草鞋を履くことになった卒業生を支援する目的で、教職課程の丸山ゼミの、丸山浩司さんが開催されているもので、行くのは昨年に続き、2度目。

もちろん、行くのは、その作品をコレクションしている、吉永蛍さんが出展されているためだが、彼女は今年から、二足の草鞋を履くのをやめ、作家活動に専念されることになった。

その決意を示すように、積極的に、多くの作品を展示されており、その内の1点を購入した。

私も、長年、ライターと業界紙編集者の、二足の草鞋を履いてきたので、作家活動に専念される吉永さんへ、出来る範囲での支援を・・と、もちろん、考えてはいるものの、その道は決して、容易ではないこともまた、自らの経験から、十分に、わかっている。でも、決意された以上、吉永さんには、どうか、行けるところまで、行っていただきたい。そう、切に、願っている。




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2016-05-20 09:18:40

「ひそひそ星」

テーマ:映画

園子温が自ら設立した独立プロダクション「シオンプロダクション」の第1回制作作品。もちろん、自らの監督・脚本・プロデュース作品である。

主人公の、乾電池で動くアンドロイド「鈴木洋子」は、四畳半風内装の、ボロアパート風外観の宇宙船で、銀河系の星々を訪ね、文字通り、孤立し、絶滅危惧種と化している人間たちに、思い出の品々が入れられた荷物を届ける宅配業者。

その彼女の、お茶を飲む、掃除をする、体内の乾電池を交換する、くしゃみをするなどの、船内での日常生活と、訪れた荒廃した星々で、その住人に宅配便を渡す様が、淡々とつづられるだけの、モロクロ作品。もちろん、ストーリィのドラマチックな展開などは、皆無である。

この作品が描く、絶滅危惧種化した人間の住む星々の、その荒涼とした風景は、すべて、震災の傷跡が生々しく残る、福島県の浪江町等で撮影されたもので、星々の住人たちも、大半が、その地元の人々。エピソードを語ることもなく、それどころか、科白さえもほとんどない作品だけに、その福島の「生」の映像の持つ凄みが、観客にダイレクトに、伝わってくる。

モノクロ映像が、たった一瞬、カラーに変わるシーンが、印象的。

園子温というと、その過剰な演出が身上というイメージが私にはあったが、それは誤解であったようだ。すぐれて、詩的で、現代アートのような秀作である。

それにつけても、被爆し、廃墟となって、今後、ウン十年、ウン百年も続くであろう、静謐な世界が、とてつもなく、恐ろしい。そんな中で、人々は絶滅危惧種となって、ただただ、立ち尽くすしかないのだろうか。

そんな中、「鈴木洋子」の仕事は、今日も、続く。たとえ、荷物を届ける人間が、どこにもいなくなったとしても・・。

新宿のシネマカリテ他で、ロードショー公開中。



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2016-05-19 10:29:36

6月の「ラテンアメリカ探訪」

テーマ:ブログ

第140回ラテンアメリカ探訪(旧メキシコ学勉強会)のお知らせ

「ふしぎのマチュピチュ」

6月はペルー大使館で好評開催中のマルティン・チャンビ写真展を企画された白根全さんにご登場いただきます。
1911年7月24日のハイラム・ビンガムによる「発見」以来、マチュピチュほど目にした人の想像力を刺激してきた遺跡は数少ないだろう。世界遺産人気投票では常時必ずトップに君臨しながら、その実像はいまだ謎に包まれたまま。確実に言えるのは、急峻なアンデス山中に築かれたインカ時代の計画都市、ということだけである。地震工学や耐震建築工学などの見地から、アンデス文明の集大成ともいえるマチュピチュの謎にアプローチしてみたい。

日時=2016年6月20日(月)午後7~9時
会場=千代田区和泉橋区民館5階洋室D
JR秋葉原駅昭和通り口下車、駅前の昭和通りを岩本町方向に歩き、最初の信号を渡って右折。書泉ブックタワー隣り。駅から徒歩3分くらいの距離。書泉の大きなビルを目指せば、すぐわかります。
発題=白根全(カーニバル評論家)
会場費=400円

ホームページ=http://latinestudiar.web.fc2.com/









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2016-05-18 11:20:12

朝(ほぼ昼)の雑言

テーマ:ブログ

今日も、順調???に、調子が悪い。

ここ数日、いろいろあって、めまぐるしく活動。でも、いろいろあっても、何もなくても、寝るのは、ほぼ、午前2~3時くらいで、起きるのは、おおむね、6時ごろだから、睡眠時間は、だいたい、3~4時間くらい・・なので、慢性的な睡眠不足状態は変わらず。

先日、とある友人と、会食しつつ、私の体調不良の理由を、あれこれ、話し合った際、いろいろ調べて、原因不明なんだったら、要は、慢性的な睡眠不足がいけないんじゃない???という結論に、ほぼ落ち着いたのだが、本当に、そうなのか???私が、いわば対抗的に、持ち出した、鬱説は、その友人によって、ものの見事に、一蹴されたのだが・・。

まぁ、何が原因であれ、今日も順調に、調子が悪い。

朝ご飯は、残り物のパック入り生食用野菜に、ボロニアソーセージに、オレンジジュースに、コーヒー。パンは買いに行くのが、面倒で、ご飯はチンすれば、すぐに食べられるが、生野菜にボロニアソーセージとは、正直、あまり相性が合わない気がして、食べず。あっ、決して、無理して、ダイエットしているわけじゃあなくて、単に、パンを買いに行くのが、面倒なだけ・・ねッ。

昼になったら、駅前のドトールに行って、ジャーマンドックでも、食べるつもり。

姫乃たまさんの本については、一気に読了。同書によれば、小明さんと競演したことも、あるんだそうだ。う~ん、文章うまいね、姫乃さんも・・。実は、友人の「中南米マガジン」編集長の金安さんから、「ウイッチンケア」というインディーズの文芸誌の、第7号をもらって、そこに姫乃さんが「そば屋の平吉」という小説を載せていて、それを読んでいたのね。だから、実は、姫乃さんが文章をうまいことは、すでに、知っていた。

かくいう私も、小説は書くけれども、書くのはホラー小説で、1度も、売れたことも、評価されたことも、ない。ブログで書き始めた「くくるくくぱろま」も、そろそろ、次の回を書かなくっちゃ・・と。








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2016-05-18 01:18:42

またまた、購入してしまった6冊の本

テーマ:ブログ

仲村清司・藤井誠二・普久原朝充「沖縄オトナの社会見学」(亜紀書房、1600円+税)

座談会形式の、沖縄の街歩きガイド。当然、かなり、ディープです。えっ、オトナの・・といっても、いわゆる夜のガイド本ではないので、間違えないでねッ。

桜木武史「シリア戦場からの報告 内戦2012-2015」(アルファベータブックス、1800円+税)

フリーのジャーナリストによる、4年間のシリア取材報告。

藤原亮司「ガザの空の下 それでも明日は来るし人は生きる」(dZERO、1800円)

ジャパンプレス所属のジャーナりストによる、1998年以降のパレスチナ取材報告。

射場博之「ミャンマー もつれた時の輪」(イカロス出版、1600円+税)

エンジニアで、テューバ奏者で、旅人という著者による、カラー写真満載のビルマ(私はミャンマーという表記を不使用のため)旅行記。

川口正志「ラオス全土の旅」(めこん、4000円+税)

旅行記と思ったけど、旅の詳細なガイドブックといった方が正確な本。著者はフリーランスのフォトグラファー。

姫乃たま「潜行 地下アイドルの人に言えない生活」(サイゾー、1512円???)

ご存じ(誰が???)地下アイドル、姫乃たまさんの本。諸般の事情???(えっと、そのぅ・・単に破れただけ・・っす)で、表紙を廃棄してしまったため、定価が不明。小明さんの本に続き、オタ本、読んでいます。





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2016-05-17 10:04:27

「カルテル・ランド」

テーマ:映画

昨日、渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、鑑賞。

メキシコの麻薬戦争そのものというよりは、麻薬カルテルに対抗するためにつくられた「自警団」をテーマにしたドキュメンタリー映画。アメリカ(合州国)のマシュー・ハイネマンが監督し、「ハート・ロッカー」でアカデミー作品賞&監督賞を受賞したキャスリン・ビグローが製作総指揮をとり、本年度のアカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた話題作(ということに、なっている)。

ハッキリいってしまうと、同作品は、国境の北と南につくられたふたつの「自警団」に焦点をあてるが、そのひとつである、アメリカ側の「アリゾナ国境自警団」に関する、批判的な視点が、ほぼ皆無で、これは正直、ひどい。同自警団を率いるティム・ネイラー・フォリーは、メキシコからアメリカへの不法移民を、麻薬カルテルの手先と決めつけ、その流入阻止に力を入れるが、実際には、メキシコからの不法移民の大半は、麻薬カルテルとは無縁の、生活困窮者。その流入を「侵略」視する考え方は、例のトランプなどと、まったくの同根だが、監督はそれをことすら問題視することなく、ただ、自警団はあまりにも過激とする、マスメディアの批判をサラッと、紹介するのみである。

一方で、メキシコのミチョアカン州で、「地元住民」によって、結成された「自警団」に関しては、自警団が力を持つにつれ、次第に変質し、次第に麻薬カルテルと大して違わぬ暴力団化し、やがて、政府の「地域防衛軍」に組み込まれていってしまう様を、これでもか、これでもかと、容赦なく、暴き出す。

しかし、もともと、凶暴な麻薬カルテル=「テンプル騎士団」に、武力で対抗する「自警団」が、ただの「地元民衆」のみで結成されたのではなく、結成当初から、別の麻薬カルテルの構成員などが「テンプル騎士団」の勢力をそぐために、積極的に関わっていたというのが、いつわらざる現実であり、自警団がやがて、民衆への新たな暴力装置化することは、ある意味、自明のことだったのである。

ふたつの自警団の内、アメリカで結成された自警団への批判の甘さ(というか、ほぼ無批判)と、メキシコの自警団への批判の鋭さのアンバランスぶりは、この映画の制作者の姿勢を、如実に表しているといったら、いい過ぎであろうか。

「闇」は決して、メキシコ側のみに、あるのではない。第一、メキシコの麻薬カルテルを肥大化・凶暴化させたのは、アメリカサイドの麻薬需要があってのことなのだ。要は、制作者サイドは、悪は常に南からやって来るという、アメリカ映画の常道から、何ら自由ではない、のである。

ということで、観て、正直、やや引きました。でも、観る価値がまったくない映画とまでは、いいません。観て下さい。

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