「アート・スコープ2012-14 旅の後もしくは痕」 | 土方美雄の日々これ・・・

「アート・スコープ2012-14 旅の後もしくは痕」

品川の原美術館で、10月13日までの間、「アート・スコープ2012-14 旅の後(あと)もしくは痕(あと)」が開催されている。

同展は、日本とドイツの間で、現代美術のアーティストを交換派遣し合い、それぞれの地での生活体験を踏まえて、新作を制作し、発表してもらうという、いわば異文化交流企画として、随時、開催されているもの。今回は、日本からドイツに大野智史と今村遼佑、ドイツから日本にリタ・ヘンセンとベネディクト・パーテンハイマーの各2人計4人が派遣され、その作品が展示されている。

なかでも、私の印象に残ったのは、薄暗闇の中に浮かび上がる、電灯の微細な光や、パチパチという音等を作品化してみせた今村のインスタレーションと、町中で、夜に光を放つ自販機たちを、執拗に撮り続けたベネディクト・パーテンハイマーの写真。

パーテンハイマーには、「方向転換」と題した、男の背面を撮したシリーズ写真もあり、モデルには杉本博司や会田誠といった、日本を代表する現代アーティストが起用されているのも、面白い。

また、大野智史の絵は、その大半は油彩作品なのに、あたかもデジタル作品のような、味わいを醸し出している。リタ・ヘンゼンの写真は、観た時は、単に、滞在中のリアルな日本の風景を撮ったものかと思ったが、あとでリーフの解説を読むと、どうやら、そう単純なものではないらしい。これは、もし、会期中に、同館を再訪する機会があれば、確かめなければ・・。

品川の原美術館と書いたが、品川駅で下車すると、片道徒歩15分くらい、かかる。猛暑の中、この距離を歩くのは、結構、大変。実は、京急線の北品川駅で降りて、駅前の品川女子学院の脇にある細い通り(確か、御殿山通りだったかな???)を通って行った方が、断然、近いし、楽。途中に、ミャンマー(ビルマ)大使館があるので、そこを右折すると、すぐ。