厳しい現実 | 土方美雄の日々これ・・・

厳しい現実

私の住むマンションでは、最近、頻繁に、「売り出し中」とか、「現地見学会」とかの旗が、入り口に立っている。

また、まだ、出来て5年くらいしかたっていない、新しいマンションなのに、部屋をリフォームするので、周辺の部屋にお住みの方、騒音には十分注意しますが、ごめんなさい・・みたいなお知らせが、エントランスの掲示板に出ていることも、もはや日常茶飯のことだ。

リフォームのお知らせのあと、しばらくすると、決まって、かの「売り出し中」の旗がはためくので、そのリフォームはきっと、部屋を売りに出すためのものなのだろう。

そういえば、私が管理組合の、第2期の理事長をやっていた時、とにかく、理事として、やる気満々で、よほど、彼が理事長をやった方がよいのでは・・と思ったMさんも、いつの間にか、引っ越されてしまったようだ。文字通り、元気が服を着ているような、何事に対してもやる気満々だったMさんに、ある日、エントランスでお会いしたら、近く引っ越すかも・・と、口ごもるようにおっしゃっておられたが、その後、1年以上も、その姿をまったく、見ていない。朝夕の犬の散歩で、ほぼ毎日のように顔を合わせていたので、おそらく、本当に、引っ越されてしまったのだろう。

これほど、引っ越しが多い背景には、もちろん、単なる転勤というケースもあるのだろうが、昨今、「流行」のローン破綻という厳しい現実が、やはり、そこにはあるのではないだろうか???

かくいう私だって、ローンは、生きているかどうかさえ、定かでない、80歳まで残っていて、しかも、毎月の返済額は、もらっている厚生年金額を、月に2万円!!!も、上回っている。要は、多少の蓄えを取り崩して暮らしているわけで、もし蓄えがなければ、マンションは、たとえ、購入時の金額を下回っていたところで、損を覚悟で、売っ払って、出て行くしかない。それが、現実である。

そうしたことをまるで、見透かすように、私のところにも、毎日のように、マンションを売りませんか???という、様々な不動産業者からの手紙やダイレクトメールが、送りつけられて来る。

う~ん、厳しい現実だなぁ・・と、マンション入り口の「売り出し中」の旗がはためくのを横目で見つつ、そう嘆息する日々である。