「山口晃展 付り澱エンナーレ」 | 土方美雄の日々これ・・・

「山口晃展 付り澱エンナーレ」

私は、ご本人には悪いが、山口晃というアーティストには、特段、興味があるわけではない。

では、何故、昨日、横浜のそごう美術館で開催されている同展に行ったのかというと、横浜の白楽というところで行われた故石崎キクさんの前夜式(通夜にあたるもの)に行く途中で、あれこれあって、早めに家を出たため、横浜に着いたのが、午後4時過ぎで、前夜式は午後6時からなので、まだ、だいぶ時間があるなぁ・・と、思ったため。その時、たまたま、目に入ったのが、そごう美術館での「山口晃展」のポスターだったので、時間つぶし(失礼ッ)を兼ねて、行くことにした。

同展は、例によって例のごとく、浮世絵ないし大和絵風の屏風絵に、古今東西の人物や、機械やあやかし等々までが入り込んでくる、山口独自の画風の大作シリーズから、何故か、電信柱ばっかを描いた作品や、「親鸞(だったっけ???)」等、小説の挿絵に至るまで、多彩というか、多種多芸な山口の作品を、一堂に集めた上に、その合間に、「2013山愚痴屋澱エンナーレ」と題した、全作品が山口本人の、いわば現代アートの、お遊び風ワンマンショーを、サンドイッチにするという、文字通り、過剰なサービスぶり。

現代アートそのものを、パロディにしちゃったような、人を食った作品から、これなら年配者も納得・・という、精緻な屏風絵まで、兎に角、「老若男女」にまんべんなく受けそうな作風は、まさに名人芸といえるが、天の邪鬼な私としては、逆にそこがイヤ。

でも、会場は、文字通り「老若男女」でごったがえしていましたので、さすが、山口晃と、脱帽です。ハイ。