「恩師」の訃報 | 土方美雄の日々これ・・・

「恩師」の訃報

敬愛する神奈川平和遺族会元会長の石崎キクさんが、亡くなった。享年97歳だった。

石崎さんは、日本遺族会の右傾化に反対し、各地で結成された平和遺族会のひとつである、神奈川平和遺族会を自ら結成され、会長として、ご高齢にも関わらず、常に、反戦平和運動の先頭に立って来られた方である。

いつも穏やかで、控えめ、誠実という言葉は、文字通り、この人のためにあるといって、決して過言ではないようなお人であったが、反面、間違ったこと、理不尽なことに対しては、絶対に、自らの信念を曲げることのない、実に凛としたキリスト者だった。

私は石崎さんに、ある取材でお会いし、その人柄に惹かれて、私自身も神奈川県の出身者であったこともあって、神奈川平和遺族会の結成に参加、決してまじめな活動家ではなかったが、現在も同会の会友(会員は遺族のみ)である。今は東京に住む私が、神奈川での活動に参加したのは、石崎さんが、いつもその先頭で、頑張られていたからである。

いつ昇天されてもおかしくないご高齢ではあったが、やはり、その訃報に接すると、あまりにも喪失感が大きく、しばし、呆然として、言葉も出なかった。私自身が60過ぎのジイさんなのだから、仕方がないといえば仕方がないのだが、敬愛する先達たちが、次々に、この世を去っていく。そして、「恩師」である石崎さんまでが・・。

あとに残された私たちに出来るのは、その遺志を、たとえ、何万分の一であれ、継いで、頑張って行くことである。それしか、ない。

・・そう、自分に、いい聞かせる。