「BLOOD-C The Last Dark」 | 土方美雄の日々これ・・・

「BLOOD-C The Last Dark」

「BLOOD THE LAST VAMPIRE」「BLOOD+」に続く、Production I.GによるBLOODシリーズの第3弾(実写による海外リメイク版の「LAST BLOOD」を含めれば、第4弾)として、人気漫画家のCLAMPとのコラボ作品として制作されたTVアニメ「BLLOD-C」の、満を持しての劇場版。

あまりにも衝撃的な展開と、残酷描写が話題になったTVアニメ版の続編だから、一体、どんな展開になるのかと楽しみだったが、意外に平凡というか、オーソドックスなつくりで、その点では拍子抜け。CLAMPとの共作で、どこまで新しいBLLOODの世界観が拡がるかと思ったが、むしろ、同シリーズの原点である「BLOOD THE LAST VAMPIRE」のリメイクというか、先祖返りのような作品だ。もちろん、それが決して悪いというわけではないが、これならわざわざ、CLAMPという「新しい血」を入れなくとも・・という気もしないではない。ファンなので、高評価はつけますが・・。

TV版とは一転、先祖返りした復讐者=小夜と、宿敵=七原文人&ふるきものどもとの、大都市・東京での最終決戦を軸に、新キャラクターである真奈&サーラットチームとの出会いと交流とが、描かれる。TV版の、ニセの人格を植えつけられたためとはいえ、明るく無邪気な小夜から、傷つきやすい心を隠すため、周囲に決して人を近づけないバリアーを張り巡らせた、本来の小夜への変身を、ベテランの水樹奈々が見事に演じきると共に、真奈役には「告白」「貞子3D」の橋本愛が起用され、弱さと強さを合わせ持ったフツーの女の子キャラを、新鮮に演じていて、まさに好対照。

真奈らとの交流で、少しずつ変わり始めた小夜ではあるが、しかし、彼女は永遠に生き続け、孤独に戦い続ける宿命の戦士。再び、別れの日はやって来て・・。