会ったのはたった2度だけど・・ | 土方美雄の日々これ・・・

会ったのはたった2度だけど・・

昨日、実家から夜遅く戻り、メールをチェックしたら、パキスタンやチベットの音楽について扱うなど、とてもユニークな音楽雑誌「Oar」の編集長である野上さんが、24日未明、車にひき逃げされ、死去されたとの報が、ミニコミの会のメーリングリストを駆けめぐっていた。

会ったのは、ミニコミの会の席上で2度ほどで、もとより、親しく話をしたという間柄ではないが、その時、いただいた「Oar」誌からは、決して、若さと勢いだけではない、深い見識と、それに裏づけられた自信のほどが、ひしひしと、読む者に伝わってきた。同誌のキャッチ・コピーでもある「他の追随を許さない音楽雑誌」を、もう読むことが出来なくなるのかなぁ・・と思うと、とても悲しい。

そういえばと、思い出したのが、「社会新報」の記者であったMくんのことである。彼もまた、若くして、突然の交通事故で逝った。彼とも決して、それほど親しい間柄だったわけでない。否、彼がリーダーとして率いていた団体「秋の嵐」とは、むしろ路線的に、かなり距離を置いていたといったほうが、正直なところである。しかし、そうした路線的な違い云々とは別に、たまに会った時などに、彼の浮かべる実に人なつっこい笑顔は、とても素敵だった。そういえば、たまたま、沖縄の国際通りでバッタリ会った時のことなどを、今も昨日のことのように思い出せる。彼もまた、まっすぐな若者だった。そのまっすぐさ、許せないことは絶対に許せないという、強いというか、強すぎる思いが、時には人と衝突することにも、つながったのだろう。時が経過し、「社会新報」の記者となった彼は、短期間だが、実にいい仕事をしたと思う。その矢先の、突然の死である。さぞや、無念だったろうと思う。もちろん、残された者にとっても・・。

人の人生は誰にも、先がわからない。突然の死は、誰にでも訪れ得る。日々を精一杯、生きるしかない。