「ハンス・コパー展」 | 土方美雄の日々これ・・・

「ハンス・コパー展」

イギリスを代表する、著名な陶芸家のひとりであるハンス・コパーの作品は、その彼が陶芸の手ほどきを受け、生涯、強い信頼と友情で結ばれていた、もうひとりのイギリスの代表的な陶芸家、ルーシー・リーの作品とは、かなり、異なっている。

美しいフォームと、鮮やかな着色が見事なルーシー・リーの作品が、伝統的な陶芸から、さほど大きく逸脱していないのに対し、コパーの作品は、素っ気ないほどにシンプルでありながら、とぎすまされた、独自のフォームを持ち、現代彫刻のような、斬新さを身上としている。どちらがよいかではなく、まったく違う個性の作品なのである。

現在、新橋のパナソニック電工汐留ミュージアムで開催中の「ハンス・コパー展」は、そのコパーの初期作品から晩年の作品までを一堂に集め、さらに、コパーとルーシー・リーの、初期の共同作品や、比較対象という意味で、ルーシー・リーの作品をも同時展示するという、まさにコパーの全仕事を概観出来る内容となっている。

コパーの、凄みのある寡黙な陶器は、使うものというよりは、鑑賞するものという気がする。会期は9月5日まで。もうすぐ、終了です。お時間と興味があれば、是非是非。