「1408号室」 | 土方美雄の日々これ・・・

「1408号室」

森美術館に行ったので、その帰りに六本木のTOHOシネマズで観た。

スティーブン・キングの原作で、とある批評家が「『シャイニング』が霞んでみえるほどの一大傑作だ」と書いていたので、少しは期待したが、その人の目はどうやら「節穴」だったらしい。

B級オカルト作家のマイクは、宿泊した56人全員が死亡したという、ニューヨークのドルフィンホテルの14081号室に、支配人の制止を振り切って、取材のため、泊まる。どーせ、インチキとたかをくくっていたマイクだが、様々な超常現象が次々に彼に襲いかかり・・というお話。

いかにもハリウッドらしい、CGフル動員のノンストップホラー映画だが、その怖がらせ方があまりにも類型的で、最初から先が見えている感じ。つまり、徹頭徹尾、リアルさが希薄なテーマパークのアトラクションといった趣向の映画なのだ。亡くなった子供の幽霊を登場させての、お涙頂戴も、スティーブン・キングのいわば「常套手段」なので、もういい加減、私はあきました。

映画は「最も原作に忠実」というが、そうだとすれば、さすがのホラーの帝王にも陰りが生じてきたと、いうしかない出来。あるいは、私のキングへの愛が、薄れてきたせいなのかなぁ・・。