6城目  No.54大阪城(2009年1月24日登城) | 城めぐりん

6城目  No.54大阪城(2009年1月24日登城)

(※ 写真は再訪時のものも含まれています。)


 戦国時代の石山本願寺の跡地に、豊臣秀吉が天正11年(1583)から、天下統一の拠点として築城。大阪冬の陣の後、徳川軍によって外堀を埋められ、夏の陣で落城し、天守等も炎上した。その後、徳川幕府は、元和6年(1620)から西国・北国大名を動員して、全面的に築城し直した。現存する遺構はこの時代のもの。天守は完成後30年あまりで落雷により焼失したといわれ、現在の天守は、市民の寄付によって、昭和6年(1931)に復興されたもの。


 「豊臣の基礎の上に徳川が完成させた天下の巨城」

 このことは意外に一般の人には知られていないように感じる。まさか、今建っている天守を秀吉が建てたものだと思っている人はいないと思うが・・・


 JRの大阪城公園駅から向うことにする。大阪城ホールと野球場の間を通り、搦手である青屋口から攻める。


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 青屋門をくぐって右手の方へ行くと、極楽橋が見えてくる。堀越しに裏から見る天守の姿も美しい。


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 極楽橋を渡って、山里丸へと入る。ここは現在、刻印石広場となっていて、刻印のある石が並んでいる。また、この場所は、大坂夏の陣の時、淀殿と秀頼が自刃した場所といわれている。

 そのままぐるっと進んで天守正面へと出る。さすがに観光客が多い。あちらこちらで韓国語や中国語が飛び交っている。


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 入場券を買って天守の中へと入る。エレベーターもあるが、階段で最上階の8階まで登る。鉄骨鉄筋コンクリート造であるが、昭和6年(1931)復興ということで、天守閣復興の第1号だそうである。登録文化財にも指定されている。中は博物館になっており、じっくり見て回るには、結構時間が必要である。


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 天守の中を見学後は再び外へ出て、城内を散策する。天守を出て左手のほうにあるのは金蔵。徳川の大坂城として城内に現存する唯一の土蔵の宝物倉庫で、幕府の御用金を保管する役割を果たしていたそうである。三代将軍家光の時代に築造され、天保8年(1837)に改修された。


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 金蔵の向こうにあるのは、旧大阪市立博物館の建物。そのまま南へと進むと、桜門枡形がある。城内随一の巨石群で構成されており、真正面が蛸石という城内で一番大きな石である。


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 そのまま本丸への正面玄関ともいうべき桜門をくぐる。桜門は明治維新時に焼失したが、明治20年(1886)に江戸時代と同じ高麗門形式で再建された。

 空濠を渡って行くと、その先にあるのが豊国神社。


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 そこから内濠沿いに左の方へ歩き、玉造口へと向う。左手に蓮如六字名号碑、さらにその奥は梅林が広がっている。玉造口から一旦外へ出ると、外濠越に一番櫓が目に入る。南外濠に面して二の丸南面隅櫓7棟のうち一番東に位置しているのでこの名がある。玉造門を側面から防御する役目を果たしていたとのこと。


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 もう一度、玉造口から中へ入り、桜門の前を通過して真っ直ぐ進む。左手に修道館があり、その奥に六番櫓が建っている。これも二の丸南面を守るための隅櫓の一つである。かつては南外濠に面し、一番から七番まで隅櫓があったそうであるが、四番、五番、七番は明治維新時の戦火で、二番、三番は昭和20年(1945)の空襲で焼失したとのことである。


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 次に、西の丸庭園へと向う。こちらへ入るには、天守閣と別料金が必要である。天守閣の混雑とは打って変わって、こちらはほとんど人がいない。

 西の丸から見る天守も美しい。


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 西の丸の奥の方へと進んでいくと、平成7年(1995)APECのメイン会議場として使用された大阪迎賓館が建っている。


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 大阪迎賓館の右奥にあるのが、焔硝蔵である。焔硝蔵とは火薬庫のことで、最初は土蔵造りだったが、落雷による大爆発後に花崗岩で再築された、全国でも珍しい総石造りのもの。


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 西の丸の西北の隅には、乾櫓が建っている。石垣の折れをそのままにL字型の建物として1偕、2階を全く同じ面積とした三方正面の櫓である。


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 西の丸庭園をぐるっと散策した後、大手門から外へ出る。大手門は大阪城に4つある出入口のうち表玄関にあたるもので、高麗門形式で造られている。大手門を入ったところが、巨石を使った石垣と土塀で囲まれた大手枡形である。石垣上の多聞櫓は、現存する多聞櫓の中で最大規模のものだという。


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 大手土橋へ出て振り返ると、左手に見えるのが千貫櫓である。大手門を北西部から守るための重要な櫓で、築城初期に建てられた城内最古の建造物である。


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 大手土橋を渡り切り、大手前芝生広場を左の方へ外濠沿いに歩く。そこから見る二の丸南側の屈曲しながら続く石垣は惚れ惚れするものである。


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 その後、難波宮公園を歩き、地下鉄の谷町4丁目駅から帰途につく。




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 (再訪時の記録 大阪城の『石』は こちら

 (再々訪時の記録 大阪城 重要文化財特別公開は こちら

 (4回目の訪問時の記録 大坂城発掘調査一般公開は こちら