ブルース・スプリングスティーンの大ファンの難病の5歳少年がブルースのボストン公演のリハーサルに招待されて、ブルースが彼のために歌ってあげて、サイン入りのギターもプレゼントしてあげた話です。涙でちゃうとってもいい話なので是非ご一読を。こういうイイ話がブルースのツアーではどんどんでてくるので、またどんどんお知らせします!

Carter and The Boss
magic wish-come- true

$HIGH-HOPES管理人のひとりごと(洋楽ロック)
 
ボストンのマンスフィールド在住の、わずか5歳の少年は病気の治療のため、今でほとんど丸2か月をボストンにある小児科病院で過ごしている。

カーター君の人生の中で、常に変わらないものが3つある。家族に対する愛情、脊椎披裂による障害、そしてブルース・スプリングスティーンに対する尽きせぬ情熱である。

カーター君は、ブルースを2009年にEストリート・バンドがスーパーボウルのハーフタイムショーで演奏した時に知った。

「その時は、それがどれだけ重要な意味を持つことかなんて全然考えませんでした。
でも、その日からカーターは毎日ブルースを聴くようになったんです」

と父親のスコット・バーンハードは回顧する。

カーター君はやがてスプリングスティーンのCDをすべて手に入れ、すべての曲を一字一句歌えるようにまでなった。コンサートには2回行き、そのうち1回は3歳になる前にマディソン・スクエア・ガーデンで観たものだ。

彼くらいの歳の子供たちの多くは、すぐに関心が移ってしまうものだが、カーター君は違った。とことんまで魅了され、ほとんどの曲を知るようになったのだからカーター君の誕生日ケーキのデザインも、ハロウィンのコスチュームも、スプリングスティーンに基づいたものだ。彼はクマのボスとイヌのボスという2つの人形を持っていて、イヌのボスは足を握ると“Born in the U.S.A.”を歌ってくれる。

「この子にとってブルースはすべてを意味するようになったのです」
と母親のクリッシーは言う両親は、スプリングスティーンの音楽は、健康な人生というものを知らない子供に喜びを運んできてくれるものだと語る。

脊椎披裂とは脊髄の癒合が不完全で、髄液が漏出してしまうもの先天性の病で、カーター君は治療のために生後5日になるまでに3つの手術を経なければならなかった。それから間もなくして、ベビーベッドの中で呼吸が止まってしまったため再び入院し、18日間、人工呼吸器につながれていた。しかし、気管切開を考えていた医師たちの予想に反して、カーター君は自ら呼吸器を引き抜いて、自分で呼吸をするようになった。彼は多発骨折や、腸閉塞、閉塞腎、頭や腹部の腫脹、シャント手術、高熱、感染症、カテーテル検査などにも関わらず、そうした鋼のように強い意志を常に示してきた。

5年間、カーター君は外来患者として治療を受ける時の他は、病院の外で過ごすことができた。1月16日に小児科病院に入った時は、約1週間の入院が予定されていたが、合併症が悪化し、未だに退院できずにいる。両親は彼が決して泣き言を言わないと話す。具合が良い時には、親指を立てて教えてくれるそうだ。
そして、スプリングスティーンに身も心も捧げたこれ以上ないくらい熱心なファンであり続けている。

ボスの気迫と音楽は、カーター君がここ2か月の苦痛を乗り越えていく間にも常に傍で励ましを与えてくれた。彼が緊急手術を受けた際には、医療チームがスプリングスティーンの曲を手術室でかけてくれさえしたという。カーター君は病院のボランティアスタッフや、医療スタッフ、同室の10代の患者の子たちもブルースファンにしてしまった。そして、プリンスやU2の方が好きだった両親をも宗旨替えさせてしまった。

父親のスコットは、カーター君のおかげで「スプリングスティーンの歌詞にしっかり目を向けるようになった」と言う。スコットは、カーター君はたぶん、彼なりに言葉の端々から溢れる切望の思いを理解しているのだろうと考えている。カーター君のお気に入りは、“Born to Run,” “Waitin’ on a Sunny Day,” “Badlands”だ。希望で胸が締めつけられるような曲だ。

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「ブルースの音楽は息子を幸せにしてくれます。ジャスティン・ビーバーとかテイラー・スウィフトみたいにもっと若い歌手を好きになるだろうと思うかもしれませんが、全然浮気しないんです」
とスコットは語った。

カーター君には3つの願いがある。
1つ目は、家に帰って2歳の妹スカイちゃんと両親と家族みんなで暮らすことだ。
2つ目は、大好きなホームタウンの学校(プリスクール)に戻ること。カーター君はそこで、車いすに乗ったまま傾斜路をうまく進んでいく方法を瞬く間に学び、クラス活動にも熱中した。カーター君はロランド・グリーンの先生や友達を恋しく思っているし、彼らもまたカーター君の不在を寂しく思っている。
そして、3つ目はスプリングスティーンに会うことだ。

バーンハード一家がかつて住んでいたニューヨークや、今住んでいるマサチューセッツの「メイク・ア・ウィッシュ」(*難病と闘う子供たちの願い事を叶える活動をするボランティア組織)の支部は、カーター君の夢を叶えようと3年に亘って尽力しているが、実現させることができなかった。

母のクリッシーによると、カーター君は2009年に「スプリングスティーンに会って、一緒にバナナやパンケーキを食べたい」とメイク・ア・ウィッシュに願い事を伝えたという。カーター君に、何か他の願い事ではどうかと持ちかける度に、彼は「ううん、他のお願い事はしたくないよ」と答える。
カーター君はディズニー・ワールドへの旅行でもいいと言ったそうだが、ボスがそこにいるならばの話だったという。

彼が、憧れの人に最も近づくことができたのは、スプリングスティーンのマネージャー秘書と短い間、言葉を交わした時だった。
両親が友人から電話番号を教えてもらい、カーター君に電話させてあげたのだ。しかし、カーター君はほとんど何も言うことができないまま、会話が終わってしまい、両親は電話に出た女性はきっといたずらだと思ったに違いないと考えた。カーター君はすっかり意気消沈してしまった。
「電話を切られちゃったんだ」と彼は言った。マネージャーたちはスプリングスティーンにメッセージを伝えなかったのだろうとクリッシーは思っている。
「ブルースは誠実そうな人ですから。もし、カーターのことを聞き知っていたら、きっと違う展開になっていると思うんです」。

いつでも希望を絶やさない父親であるスコットは、もしスプリングスティーンが「ある日ひょっこり姿を現したりして」と思ったりしているという
その一方で、カーター君は健康な子と同じように子供時代を送るのだという意志と同じくらい強固に、スプリングスティーンに会う夢にしがみついている。
「毎朝起きると言うんですよ。『パパ、退院したら行きたいところがあるの』。私はいつも、『アイスクリームを食べに行きたい』とでも言うのかな、と思うんですが、違うんです。息子はこう言います。『僕はボスに会いたい』」。

・・・・・そして、その夢が遂に実現する。

2012年3月26日ボストン公演。

ブルースはカーター君と家族みんなをボストン公演の会場のTDガーデンに招待、Eストリート・バンドとのリハーサル、サウンドチェックを観られるように粋な計らいを行なった。ステージ前の特等席で観覧するカーター君は喜びのあまり、言葉を失った。そして、スプリングスティーンが彼に向って手を振ったときでさえ、カーター君は彼の後ろにいる誰かに手を振ったんじゃないかと思って、後ろを振り返ったりするほど。それからブルースはステージからひょいと飛び降りて、カーターと彼の2歳の妹スカイちゃんに優しく話し、2人とともに楽しげに1時間を過ごしていたブルースはカーター君のギターにサインをし、そして、“Waiting On a Sunny Day”を彼の為だけに歌ってあげた

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「カーターはブルースに彼が大好きだということを伝え、ブルースも“僕も愛しているよ”と言ったんだ」
と、父親のスコットは思い起こす。

「ブルースはとても地に足のついた人でした。殆ど信じられないくらいですよ。本当に素晴らしい人でした」と、カーターの父親のスコットは語った。

カーターはこの3か月をずっと病院で過ごしていたが、このボストン公演の後、晴れて両親と家に帰ることができた。メイク・ア・ウィッシュのジュリー・エイベルは
「彼らは長い間、辛い思いをしていますが、この願い事と、スプリングスティーン氏が進んでカーターに会ってくれたことで、ずいぶん救われたのではないかと思っています」と語った。

「決して忘れられないひとときでした。感動的でした。さっきも言いましたが、ブルースは本当に気さくな人でした。本当に最高にいい奴って感じです」とスコットは語った。

ブルース、お見事!そして、ありがとう。カーター君、おめでとう!

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●カーター君とボスの写真はこちらで
http://www.wickedlocal.com/mansfield/features/x1440918830/Carter-and-The-Boss?photo=0#axzz1qriYlUNV
http://blogs.wickedlocal.com/springsteen/2012/04/01/exclusive-behind-the-scenes-with-carter-and-the-boss/#axzz1qo3mfBvP