そういえばボブ・ディラン・モノ・ボックスで紙ジャケやら、特典やら、ガワの方ばかり話してましたが、肝心の音の方って触れてませんでしたね。失礼いたしました。

ディランのモノ音源は今回世界初CD化となるもので、USのMONOマスターから2010年デジタル・リマスターされています。60年代初頭はMONOがメインだったので、MONO MIXの際はアーティストもミックスに立会い、STEREOの方はあとでエンジニアまかせってのが多かったとよく言われています。ビートルズもローリング・ストーンズも60年代の主たるアーティストはみんなそうだったし、もちろんディランもそのとおりで、MONO MIXには立ち会ったそうです。プレスリリースにもこのように書かれていました(STEREO音源を単純にMONOにしたものではないので、その辺はもう皆さんご存知ですよね!)

『ボブ・ディラン・モノ・ボックス』には、ボブ・ディランの最初の8枚のアルバムが収められている。しかも当時のディラン自身が意図したアルバムの本来のサウンド、ひとつのチャンネルから飛び出すパワフルな、直接的で即効性を持っているモノラルミックスを入念に再現している。1950年代半ばには、すでにステレオ・レコーディングの技術が開発されていたが、1960年代のトップアーティストたちは、あいかわらずモノ・レコーディング、モノ・ミキシングを好んだ。結果として、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランも自分たちはモノ・ミックスに全情熱を注ぎ、ステレオ・ミックスはエンジニアに任せていた。

なので、このMONO MIXこそがディランが一番出したかった音、ディランが一番聞いてほしかった音ってことなんでしょう(特に初期は)。

ビートルズほどMIX違いがあるわけではないのですが、尺が短かったり、長かったりもろもろありました。ただ、最大のポイントは「音色」です。サウンドの聞こえ方が違うとでも言いましょうが、音の塊が迫ってくる、そんな感覚です。ステレオのほうがはっきり分離して聞こえますし、キレイである種安心感のある音なのですが、60年代ですから半ばから後半でもせいぜい4チャンか8チャン。音が詰まってるということもなく、スカスカ感を感じる方も多いと思います。

このMONOサウンドはそういった意味では、ぎゅっと詰まった、音の塊がこっちへ向かってくる・・・ってな感覚を僕は覚えました。丁寧にリマスターされていて、まさにパワフル!

ちなみに70年代のディランのアルバムもMONO盤が発売されているものもあるのですが、それらは全てステレオMIXのマスターを単純に左右を一本にしただけのものらしく、ステレオとモノを全く別ものとしてしっかりミックスを変えて作業してたのは、今回のモノ・ボックスに入ってる『ジョン・ウェズリー・ハーディング』までということで、今回の8作品はまさに「ディラン自身が意図した」MONO MIXといえるでしょう。

『ボブ・ディラン・モノ・ボックス』はパッケージ、ジャケット含めて丁寧にしっかり作っておりますので、是非手にとって見て、当時のジャケットの雰囲気を感じていただきつつ、ディランの意図した最初の音を聞いていただければと。

ただ、どんな音か聞いてみたいだけって方いらっしゃいましたら、輸入盤のみですが『The Best of the Original Mono Recordings』っていうダイジェストの1枚もののCDも出てますので、そちらでも聞いてみていただいて、もしよかったらボックスもそろえていただければと。

●『ボブ・ディラン・モノ・ボックス』
【完全生産限定盤】 2010/11/10 ¥18,900(税込) SICP-2951
$HIGH-HOPES管理人のひとりごと(洋楽ロック)
●ボブ・ディラン『ザ・ブートレッグ・シリーズ第9集:ザ・ウィットマーク・デモ』
【完全生産限定盤】 2010/10/27 ¥3,780(税込) SICP-2960

★W購入特典:未発表CD『Concert from 1963 at Brandeis University』 応募者全員にプレゼント!

曲目・内容・ジャケット他詳しくは下記ボブ・ディラン日本サイト
http://www.sonymusic.co.jp/bobdylan/

●『The Best of the Original Mono Recordings』(輸入盤のみ)
詳しくはこちら
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